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「失礼を致しました。うちのパートナーが、香りを付けるのを忘れてきてしまって」


そう言って私を引き寄せる彼は
間違いなく私が探していた、あの男。



「あぁなるほど。彼女の探し物とはあなただったのか。
これは、手を付けなくて良かった」

 
…どういう意味?

戸惑う私の前で先程の仮面の男が深々と礼をして去ると
私は逆の方向に腕を引かれた。


「行くぞ」


途中、使用人らしき仮面の男に何事かを告げたこの男は

私を会場隅の小さな個室へ連れていく。

 

建物全体が暗めの照明で統一されているけれど
この個室は更に一段と暗い。
 

「お待たせ致しました。此方でお間違いないですか」

「ん、ありがとう」

 
使用人が持ってきた、トレイに乗せられた小瓶。
 


「香水つけろって言っただろ?何で付けてこねぇの」

「探したけど見つからなかったのよ!」

「そんな珍しい銘柄でもねぇのに」


そう言いながら彼は自らの手に香水をふりかけ
そっと私のうなじをなぞった。
 

ぞくり、と身体がこの男を思い出す。

「っぁ…っ」

「それからココ…」


胸元
内腿


香水をなぞるように付ける彼の手に翻弄され
私は倒れそうになる身体を必死で支えた。


 
「どうした?香水つけてるだけだけど」

「っ、わかってるわよ!」

 
わざとやってる。
私の感じる場所を知り尽くしたこの男は

敢えてここで
しかもまだ仮面の使用人が近くで控えているこの環境で
私の心と身体を弄ぶ。
 
 
「エゴイストプラチナム」

「…んっ…な、に…?」

「覚えておいて」



 
ようやく刺激から解放されると
私は個室から引っ張り出される。

まだ膝ががくがくしてる。

 


「もっと続きが欲しい?」


囁く声は相変わらず良すぎて
しかも核心をつかれたようで軽くにらむ私を
またいつもみたいに口許で笑う。


「あとで、じっくりと」

「っ!!」

 
セクシーな声が耳元で、私をまたぞくりと刺激する。

 
何なのよ、もう!!


そのまま会場内を手を引かれる私。

動く度に自分からふわりと香るのは
スパイシー。


 
まるであの男に抱かれているみたいで
それを想像してまた熱くなる私は

きっとどうかしてる。


 
だけど

この夢のような非日常の世界で
正気を保つ方がきっと無理だから


だったら

 
この会場にいる誰よりも
セクシーで男前なこの男のパートナーとして

やりきってやる。

 

この男の口から、お前が欲しくてたまらないと

そう、言わせてやろうじゃない。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの?とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます!! (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)!NEEさんのお話大好きです\(^^)/NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)! (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく!隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年4月14日 22時

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