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扉の向こうは異世界だった。
それぞれが皆、仮面を着けて平然と歩く様はまるで映画の中のよう。
少し気後れしながらも私は会場へと足を進めた。
こんなところで、ちゃんと見つけられるのだろうか？
仮面舞踏会と言うだけはあって
メインフロアでは優雅なワルツと共にダンスが行われていた。
当然私には無関係。
ダンスなんかやったことあるわけないし。
せいぜい学生時代の体育の授業くらいのものだ。
とにかく私の目的はあの男を探すこと。
周りはお構いなしにただただキョロキョロとしてうろつく私はさぞ不審に映ったであろう。
「お嬢さん」
一人の男性が私に声をかけた。
「何か探し物でも？」
いい声。
だけどあの男とは違う。
「ちょっと、人を探していて」
「なるほど」
微笑む唇は品がよく、仮面をはずした素顔も
男前を推察させる。
「ここでは皆名前も身分も隠して来ています。
何か特徴があればお探しできると思いますが」
特徴？
名前も知らず何も知らない彼のことを
言葉に表すことなど容易ではない。
言えるとしたら
「…声がよくてムダにイケメン」
あぁ、そんなヒントにもならないこと。
そう言うと目の前のマスクの男がニヤリと笑う。
「それは、
「え…？」
戸惑う私の腰を男は自然な動作で抱く。
「私はその条件に当てはまる自信はあるけど、いかがかな？」
確かに、いい声の、イケメン。
もしかして、それなら誰でもいいって思われてる！？
「いや、そうじゃなくてっ」
「美しい。
それにまだ誰の手付きにもなっていないようだ」
「え…？」
どういう意味？
戸惑う私に男はまた口許で笑う。
「あなたは香りを付けていない。
この会場ではパートナーと同じ香りを身につける。
その暗黙のルールはあなたもご存じのはずだ」
え？
それって？
香水付けていない女は、私フリーですってアピールしてるってこと！？
だから
あの香水をつけてこい、と。
…そんなんわかるか！！
「私の香りを付けたい」
男が私を抱き寄せ、そっと唇を寄せる。
それも悪くないような男前だけど、と
いつもより甘い香りが私の思考を乱す。
そのとき
「失礼」
私の背後に感じたのは
聞き慣れたいい声と
よく知ったスパイシー。
こんなところで現れるなんて
やっぱり映画みたいね。
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
