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「…広っ」
まるで大学の講義室のような広い場所が
今日の研修の部屋だ。
その中の空いた席に岩田と一緒に座る。
殆どが岩田と同年齢の新入社員だけど
たまに私と同年代くらいの社員も見受けられて少しだけ安心する。
岩「同期に院卒のヤツもいるし、中途採用とかも来てるみたいだよ」
…良かった。
別に誰も私を見ちゃいないだろうけど
やっぱり20代前半の若い女の子ばかりの中にいるのは気まずい。
尤も、岩田と一緒にいるだけで
必要以上に目立つんだけど。
さっきから男女問わず何人もが声をかけにきては
私を怪訝そうな顔で見て
それに平然と岩田が『彼女だよ』と答え…
ねぇ、これ、本当に大丈夫?
今さら否定出来ないし。
岩「ふりでもAさんの彼氏になれて嬉しいなー」
「…ちょっと言いふらしすぎじゃない?収拾つかなくなっても知らないから」
岩「…じゃ、本当に付き合う?」
机の下で
岩田が私の手を握る。
「…冗談やめて」
私が振りほどこうとすると
岩田はやっぱり手を離してくれなくて。
岩「ほら講義始まるよ」
だったら手は離しなさいって!
ひとまずそこの押し問答は諦めることにして
私は前を向いた。
『皆様、本日はお忙しい中、研修にご参加頂きお疲れ様でございます…』
前で司会をするのは人事部の人かな
そのあと、社長の話も続き
かなり本格的な研修が始まったところで
『では午前中の講義は、今後のわが社を担うきみたちの先輩にあたる社員の講義になります』
へー。
この会社の代表社員みたいな人が出てくるってわけ。
かなりすごい人なんだろう。
『現在大阪にて活躍している先輩で今日はこの講義のために合間をぬって来てもらっています』
大阪……
どきりとした。
いや、まさかそんなはずない。
岩田がちらりと私の方を見る。
多分、同じことを考えてる。
『それでは登場していただきます。
大阪支社プロジェクトリーダー、片岡直人さんです』
…かたおかなおとさん。
疑念が確信に変わり
頭の整理がつく前に
姿を現した本日の講師。
ふわふわの髪。
前より少し精悍に見える顔は緊張のため?
人「えー、皆さんこんにちは!」
マイクを通して響く声。
…直人さんだ。
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C - 泣いた!(´;Д;`) (2017年9月22日 11時) (レス) id: 5702af0d9c (このIDを非表示/違反報告)
水樹(プロフ) - LOvE PANiC大好きすぎてもう5回目くらいですそれくらい最高です! (2017年6月6日 19時) (レス) id: 27f38936cf (このIDを非表示/違反報告)
s - 占いツクールの小説は前々からよく読んでいましたが、こんなに感情移入した小説は初めてです。 読み出したら止まらなくて、三代目のメンバーの妄想小説を読んでいると言うより、一つの映画脚本を読んでいるような気分でした。今まで読んだ占ツクの小説の中で一番です! (2016年5月21日 1時) (レス) id: 3295d502e0 (このIDを非表示/違反報告)
たえ(プロフ) - こんなに感情移入できたの初めてでいっぱいドキドキキュンキュンさせて頂きました^^エリーが好きなのにNAOTOに気持ち持ってかれちゃいました(*´艸`)ぜひまたNAOTOメインの作品書いて頂きたいです!! (2016年5月10日 19時) (レス) id: 810f45a0fd (このIDを非表示/違反報告)
maman727(プロフ) - もう、すごくすごく良かったです。こんなモテモテでドキドキで本当に楽しかったです。次の作品も楽しみにしてますね(*^^*)素敵な作品ありがとうございました。 (2016年4月19日 8時) (レス) id: 061f6038ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NEE | 作成日時:2016年3月12日 11時