LOvE PANiC 7

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懇親会を、抜け出す？

　
私が驚いて返事に困ると、直人さんがふと笑う。


　

人「直己には俺が言っとく。

…というか、直己は俺がここに来るのを知ってるから
大丈夫」


「！直己さん、知ってたんですか！？」


人「…代理出席って本当は結構異例だからね。
その為に色々根回ししてくれたみたいだから…」


　

驚いた。

直己さんと直人さんが、

私のために、お膳立てしてくれたんだ。



　


人「…だから、このまま姫を連れ去りたいんだけど…」



「……」


　


どうしよう。




やっぱり夢みたいで嬉しくて信じられなくて



ドキドキする心臓に
途端にフワフワする頭に


返事をするのも忘れていると、

直人さんが不安げに私の顔を覗き込む。








人「…俺、また何か間違えてる…？」


　





　
その姿が何だか可愛くて

私は笑って、答えた。







　

「私を、連れ去ってください、直人さん」
　

　





　

　




―雪の中で私たちは出会って


また、私たちは巡り合う。




　
何度離れてもまた、会える運命だったのかな。





　

　
人「会場には、コートだけ？」


「…はい」


人「待ってて。会場のスタッフに取ってきてもらうから」


　

　


私を門に残して

直人さんが会場に向かう。
　


　


人「すぐ、戻るから」



　

その後ろ姿が、数ヵ月前のサヨナラと
何故だかリンクして
　

　



―また置いていかれちゃう！？

　


　
咄嗟に掴んだコート。
　

驚いてこちらを振り向く直人さん。
　



あ。



…やってしまった。



　


人「…どした？」


にこ、と笑って
私に向き直ってくれる直人さん。

　
　
…言えない。
また、直人さんに置いてかれるんじゃないかと思った、なんて。

子供じゃあるまいし。
　
　



　
人「…不安？」

　

何で、直人さんにはわかっちゃうんだろう。
　

人「すぐだから、大丈夫。
…これ、持ってて」


　
直人さんはコートを脱いで私に渡す。
　




人「…あと、あんまり外でそんな可愛いことしちゃダメ。

俺の理性、そんなに強くないからね？」




コートを預けた直人さんが私の頭をポンポンと叩くと
会場の中へ急いで駆けていく。




渡されたコートからは
外の匂いとそれから、直人さんの匂いがして

思わずそれを抱き締めた。


　


程なくして

私のコートを持った直人さんが戻ってきて
私の手をとる。
　
　

人「…行こう？」

　





　
私は黙って、その手を握り返した。

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