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一つの季節が終わりを告げた。
会社の前の街路樹がつぼみをつける頃
…季節は春。
冬のオリオン座は、見上げても見えなくて
あなたが誉めたモコモコのスヌードはクリーニングに出してクローゼットの中へ。
あなたと過ごした季節が、終わったよ、直人さん。
あと二つの季節を越えて
次の冬には私も契約期間を終えて退社する。
直人さんがいなくなったうちのオフィスの
新しい所長となった臣さんは
もうずっとこのまま働けば?なんて言ってくれているけど
私は私の使命があるから。
あともう少しだけここで頑張るつもり。
直人さんとは連絡は、とっていない。
何度も通話ボタンを押そうと思った。
書きかけのメールはたくさん残ってる。
でももしここで連絡をとってしまったら
直人さんの気持ちを無下にすることになるから。
これは私の都合のいい解釈で
本当は直人さんはもう私のことをふっきって忘れてしまっているかもしれない
だけど、
それならそれでいい。
私は
直人さんを好きになったこと、絶対に忘れないし
後悔なんてしない。
この仕事を続けていればきっと
いつかまた会える。
そのときにお互いがお互いの人生を歩いていたとしても
笑って
昔を懐かしめるような
そんな関係になれていたら
私の今の気持ちも報われるんだろうな。
田「…なんか雰囲気変わったよね、城木さん」
タサキエステイトの田崎社長の担当は
私が引き継いだ。
「そうですか?」
田「うん、何か落ち着いたっていうか
大人の"いい女"になったってかんじ」
契約書に、美しい字でサインをしながら
田崎社長は笑みを浮かべてそんなことを言う。
田「直人くんに"女"にしてもらったのかな」
「社長…その発言はちょっと」
田「ははっ、バレた?
色んな意味こめて言ったの」
こんな風に軽口を叩ける余裕が出るようになったのも
直人さんがいなくなるまで私に
少しずつ経験を積ませてくれたお陰だ。
田「…はい。じゃあ書類これでいい?」
「ありがとうございます」
田「Aちゃん」
仕事が済むと私を名前でよぶ田崎社長。
田「そんな大人の女性のAちゃんに
デートを申し込みたいのですが」
その声も、
視線も甘い。
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C - 泣いた!(´;Д;`) (2017年9月22日 11時) (レス) id: 5702af0d9c (このIDを非表示/違反報告)
水樹(プロフ) - LOvE PANiC大好きすぎてもう5回目くらいですそれくらい最高です! (2017年6月6日 19時) (レス) id: 27f38936cf (このIDを非表示/違反報告)
s - 占いツクールの小説は前々からよく読んでいましたが、こんなに感情移入した小説は初めてです。 読み出したら止まらなくて、三代目のメンバーの妄想小説を読んでいると言うより、一つの映画脚本を読んでいるような気分でした。今まで読んだ占ツクの小説の中で一番です! (2016年5月21日 1時) (レス) id: 3295d502e0 (このIDを非表示/違反報告)
たえ(プロフ) - こんなに感情移入できたの初めてでいっぱいドキドキキュンキュンさせて頂きました^^エリーが好きなのにNAOTOに気持ち持ってかれちゃいました(*´艸`)ぜひまたNAOTOメインの作品書いて頂きたいです!! (2016年5月10日 19時) (レス) id: 810f45a0fd (このIDを非表示/違反報告)
maman727(プロフ) - もう、すごくすごく良かったです。こんなモテモテでドキドキで本当に楽しかったです。次の作品も楽しみにしてますね(*^^*)素敵な作品ありがとうございました。 (2016年4月19日 8時) (レス) id: 061f6038ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NEE | 作成日時:2016年3月12日 11時