304ー岩田 ページ11
講師が大阪から来たと司会の案内があったとき
もしかして、と思った。
隣の席のAさんも多分同じことを考えたのか
顔から表情が消えていた。
案の定、講師として現れたのは
…直人さん。
何とも言えない表情のAさんを見て
俺は繋いだ手に力をこめた。
そうすると彼女は俺を見て
すごく、下手くそに笑ったんだ。
…胸が、痛くなった。
講義が終わって逃げるようにこの部屋からいなくなるAさん。
あの取り巻きの中にいる直人さんとは
どちらにしても今話したりは出来ないだろうけど
明らかに動揺していた。
Aさんといえば
最近は俺に対する対応も何となく軟化してきて
少しずつ、心の傷も癒えてきたのかもなんて、思っていた。
このまま彼女を傍で支えればいつかきっと
俺のことを岩田じゃなくて
素面で"剛典"って呼んでくれる日がくるだろうなんて
悠長に構えていた所で。
まさか
直人さんと会うなんて。
…恐らく彼女はしばらく戻ってこないだろう。
俺は久しぶりに会う元上司に挨拶に向かうことにした。
岩「直人さん、お久し振りです」
人「…久しぶり」
岩「すごいっすね、講師。びっくりしました」
人「いやー、こんなのやったことないから緊張したよ!」
岩「めっちゃ良かったですよ!」
…Aさんの話は、出ないな。
気付いてないはずはないし
やっぱり直人さんも複雑なんだろうか?
岩「今日終わったら飲み行きますか?臣さんと隆二さん呼んで」
敢えて、Aさんの名前は出さなかった。
人「いや、そうしたいんだけど…このあとまたすぐ戻らないといけないんだよね」
…忙しいんだな、直人さん。
人「…岩ちゃん」
岩「?はい」
人「…Aちゃん、よろしくね」
初めて、彼女の名前を出した直人さんは
ひどく切なそうに、そう、言った。
人「じゃあまた、こっち来るとき連絡するから」
行こうとする直人さんを
俺は呼び止める。
岩「…直人さん、出発、何時っすか?!」
人「12時にはここを出るよ。
それまで控え室…会議室で待機かな」
あと30分ある。
俺は急いで講義室を出た。
向かうは、Aさんの、所。
2479人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「三代目JSoulBrothers」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
C - 泣いた!(´;Д;`) (2017年9月22日 11時) (レス) id: 5702af0d9c (このIDを非表示/違反報告)
水樹(プロフ) - LOvE PANiC大好きすぎてもう5回目くらいですそれくらい最高です! (2017年6月6日 19時) (レス) id: 27f38936cf (このIDを非表示/違反報告)
s - 占いツクールの小説は前々からよく読んでいましたが、こんなに感情移入した小説は初めてです。 読み出したら止まらなくて、三代目のメンバーの妄想小説を読んでいると言うより、一つの映画脚本を読んでいるような気分でした。今まで読んだ占ツクの小説の中で一番です! (2016年5月21日 1時) (レス) id: 3295d502e0 (このIDを非表示/違反報告)
たえ(プロフ) - こんなに感情移入できたの初めてでいっぱいドキドキキュンキュンさせて頂きました^^エリーが好きなのにNAOTOに気持ち持ってかれちゃいました(*´艸`)ぜひまたNAOTOメインの作品書いて頂きたいです!! (2016年5月10日 19時) (レス) id: 810f45a0fd (このIDを非表示/違反報告)
maman727(プロフ) - もう、すごくすごく良かったです。こんなモテモテでドキドキで本当に楽しかったです。次の作品も楽しみにしてますね(*^^*)素敵な作品ありがとうございました。 (2016年4月19日 8時) (レス) id: 061f6038ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:NEE | 作成日時:2016年3月12日 11時