LOvE PANiC 7

294ー健二郎 ページ1

健「……は？マジか、それ」
　


「うん」




俺は久しぶりに飲みにAを呼び出した。

最近まぁまぁ俺も忙しくて話聞いてやってないから
そろそろたまってんちゃうかって思って



場所はいつもどおりELLYの店。

　
　
どうせまた半分のろけみたいな話を聞かせられながら
酔ったAが、この先の不安を捲し立てる。



そんな、いつもの流れや。



そのはずやったのに。



　






　
健「直人さんと終わった！？」

E「え！？なんで！？」
　
　

エリーまで驚き顔。
俺だけが知らんわけやなかったのはまぁ良かったとしても。
　


　
　
健「何で…」
　


「直人さん、異動出たの。もう２週間くらい経つかな」
　
　
　


…驚いた。

　
2週間てことは

俺がここでばったり遭遇してから

すぐあとくらいか。
　
　




確かに、

俺は直人さんに別れた方がええって言うたけど。
　






…まさかこんなに早よ決断下すなんて…
　

　
　

　

　
E「…大丈夫？Aちゃん」

　

「…ん。完璧に吹っ切れたとは言い切れないけど
喧嘩別れしたわけじゃないし

いつまでもメソメソしてたらダメだなって思ってる。
直人さんは私のために
綺麗に終わらせてくれたんだから」
　

　


確かに今回はいつもみたいに
失恋して泣きながら酔って寝るパターンとは違う。
　
　

　
こんなA初めてや。


　

　



E「いい恋愛したんだね、Aちゃん」
　
　
「うん……多分、直人さんのことは一生好き、かな。

もしこの先、いつか別の彼氏が出来てもきっと
私の中では特別」






　
…やっぱり今回は本気やったんやな、A。






何か、俺が二人の関係に引導を渡したみたいで
ちょっと申し訳ないような気持ちもないわけやないけど


　


　

でも今こうしてこいつが笑顔なら


俺の親友としての行動も
　

それから


直人さんの男としての判断も

間違ってなかったんやろな。
　



　


健「…ようやく男見る目を養えてきたみたいやな、A」
　
「なにー？その上から目線」
　
　


　

めっちゃかっこええ男やったやん、直人さん。
　




　
成就できんかったんは
残念やったけど
　


…それは強がりでもなくて
ほんまにそう思うけど
　


　




次にまたお前が恋愛出来るときまで

　


俺が傍におったるから
　


　


今はゆっくり、休息しよ。


　



お疲れさん、A。

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