LOvE PANiC 5

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臣「じゃ、俺も行くから、ここで解散」

「私は一旦会社に戻ります」
　

臣「…オフィスではほどほどにしとけよ？」
　

また臣さんの顔が、悪く笑う。

"ほどほど"が何を差すのかを察して、私は顔が熱くなる。
　

「な、ないです！！」


臣「…そ？
岩ちゃんがランチ誘ってるとき、直人さん何とも言えない表情してたけど」
　
　
「本当ですか！？」
　

　
それって、やっぱり、
妬いてくれたってこと、だよね？



臣「だから俺も同席するって言った」

「…臣さんは誰の味方なんですか？」

　
私の応援をしてくれたり
岩田の味方をしたり
　
臣さんが、よくわからない。
　

　
臣「俺は、俺の味方でしょ」
　
　
「もしかしなくても、面白がってますよね？」
　


じ、と少し睨むように見ても
臣さんは平然と答える


　

臣「…まぁ、Aと直人さんがうまくいったら面白くはないかな」
　
　
「…意地悪ですね」
　
　
臣「意地悪、ね」



少しだけ臣さんが、切なそうに笑ったのは私の気のせいだろうか？
　

臣「じゃ、またな、ぬいぐるみ」


「！違います！」



…やっぱり、臣さんがわかんない。


　
　
　



オフィスの鍵は空いていて
　
入るだけなのにドキドキする。
　

　
あの夜別れてから初めての二人きり。

　
仕事中なんだから！という理由くらいで落ち着く気持ちなら苦労はしないんだけど。
　


「戻りました…」
　

人「！…おかえり」
　
　
帰ったとたんに安心したような笑顔をくれる直人さんに
　

早くも私の心はきゅんと鳴る。



人「ランチおいしかった？」


「は、はい」
　

人「そっか。よかった」


「良かった、です」


　



…沈黙。


なんだ、このぎこちない会話。

　

何もやましいことはないのに
まるで悪いことをして帰ってきたみたいな気持ちで

私は黙ったままデスクに腰を下ろす。

　
人「……」

「……」


何か話さなきゃ、

そう思ったとき。


　
人「…っごめん、公私混同しないって決めたのに」


突然謝る直人さんに、私は驚く。


人「ごめん、少しずつちゃんと出来るようにするから」
　

何のこと？
そう尋ねる前に私の傍にきた直人さんは

　
人「まだ、昼休み10分くらいあるよね」
　

そう言って
座る私の背中から腕を回し

気付けば腕の中にいて
　


人「…ごめん、めちゃくちゃ妬いてました…」

　

　
拗ねたような、声に…嬉しい、なんて言ったら
怒りますか？直人さん。

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