検索窓
今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:1,229,424 hit

225 ページ30

岩「これ、ポカリとか足りなかったら飲んでください」
 
臣「ありがと」
 
岩「…じゃあ、俺はこれで。Aさん、もう遅いから送る」
 

何しにきたのかわからないほどに簡単に用件を済ませた岩田は
私の返事も聞かずに私の手を掴んで部屋を出ようとする。

 

臣「岩ちゃん」
 
岩「…はい?」

臣「何かあったら許さねぇから」
 
岩「…随分肩入れするんですね」
 
臣「岩ちゃん」

岩「わかってます。失礼します」
 
 

二人しかわかっていない会話が手短に済まされると
私は岩田に手を引かれる。
 

 
「ちょ、岩田!!
…っ、臣さん、お大事にっ」
 

早足で歩く岩田に半ば引きずられる勢いで玄関まで向かい急いで靴をはく。
 
 

玄関を開ければ確かに真っ暗で。


でもただひとつ不自然極まりないのは

帰りを送るからと促した張本人が、先程から一言も言葉を発しないということだ。
 
 
 
エレベータに乗り、下に降りる間もしっかりと手は掴まれているくせに
岩田は一言も私に話しかけることはなくて
 
その背中が会話拒否に近いものを雄弁に語っている。

 
またそのことは私から話しかけることも出来なくしてしまっていて。




マンションを出て暫く歩いたところで
ふと、岩田が足を止める。
 

 
岩「…Aさん、何してたの」
 
ようやく話した一言はそれだった。

 
街灯が僅かな通り。

私の手は繋がれていて
一歩前を歩いていた岩田の背中が視界には写っている。
 


「何って、看病…」
 
岩「何ノコノコ行っちゃってんだよ」
 
 
 
静かな声に込められていたのは
…多分、怒り。

 
こちらを向いた岩田の目が鋭く私を睨む。


 
岩「……どんな看病したのか知らないけど」
 
 
す、と空いた方の手が私の髪に伸ばされ、指が私の髪をとく。
 
 
岩「こんなに髪乱して、まるで添い寝でもしてたみたい」
 
「!!」
 

何度指摘されても直らない私のすぐ顔に出るクセ。

疑念が確信に変わった岩田に弁解する暇は与えられず
岩田に睨まれ掴まれたまま

私はじりじりと通り沿いの壁へ追い込まれて行く。
 


…そこに可愛い後輩の姿なんて、ない。

 

 
岩「臣さん好きになっちゃった?」
 
「…違う、何でそうなるの」
 
臣「へぇ、好きでもない男の部屋に行って、添い寝までするんだ」
 
 

背中は壁。
目の前は怒った様子の岩田。


掴まれた手首は、決してそれだけのせいではなく
 
痺れて、動けない。

226→←224



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (847 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2102人がお気に入り
設定タグ:三代目JSoulBrothers , 三代目 , NAOTO   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひにゃた(プロフ) - 206話までよみおわりました。健二郎が、健二郎が切ないです。健ちゃん大好きなんで。よんでて、健二郎にする!っておもいながらよんでます。くせになりますね。さっ、つづきよみまーす (2017年2月7日 16時) (レス) id: 99600f3937 (このIDを非表示/違反報告)
りにゃ(プロフ) - NEEさん» こちらこそです!! (2016年2月20日 21時) (携帯から) (レス) id: 521bcd466b (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - なるみんさん» それについては、ちょっと色々考えてます(*^^*)直人さんとの結末を迎えるころには発表させていただきますので(*´ω`*)パート6もよろしくお願いします! (2016年2月20日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - りこさん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいし励みになりますよー!パート6も頑張ります!よろしくお願いします(*´ω`*) (2016年2月20日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - Ayanoさん» 臣の本気やってきました!ちょっとしたすれ違いなんですけど、二人には試練ですね!!頑張ってもらわねば!パート6もよろしくお願いします! (2016年2月20日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:NEE | 作成日時:2016年2月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。