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「り、隆二さん、もうすぐ着きますよ?」
小声で起こしてみる。
ぴくりとも動かない。
歳上の男の人の癖に何故だか可愛い寝顔の隆二さんを見て
前にもこんなことがあったと思い出す。
……りゅうちゃん。
!いやいや、呼べないでしょ!!
呼んだらにこーって笑って『もう一回♡』っておねだりする隆二さんが想像できたとしても
どうせその後からかわれるのがオチだ。
とはいえ。
降りれないのも、困る。
「隆二さん!」
少し体を揺さぶってみると、う〜んと言って身動ぎする。
(起きたかな?)
…甘い。
敵はそう簡単に許してはくれない。
隆「…も少し」
私にもたれた身体が、更にぐっと近づいて
隆「……一緒に寝よ?」
かすれた声が甘く耳元で囁くのは
寝惚けているとわかっていても
心臓が跳ねあがるよう。
「っ、隆二さん!大阪着きますよ!!」
隆「んー…やだー……」
やだじゃないでしょう!?
何この寝起きの悪さ!!
いくらこの寝惚けた隆二さんが可愛かろうが
まぁ肩くらい貸してもいいか!なんて思おうが
とにかく次で降りなければいけない。
こうなったら。
「り、りゅーちゃん!」
もう何でもいいから起こすしかない
「りゅうちゃん、起きて」
隆「ん……」
あと一息!
「りゅうちゃん、大阪……」
隆「起きた♡」
目の前にはぱっちりと目を開けた隆二さん。
隆「やっぱりいーね!りゅうちゃん」
「っ!!…いつから起きてたんですか?」
隆「さぁ?いつからかな?」
いたずらっぽくそう言う隆二さんを見て
私は前言撤回する。
安心じゃない。
この人も私の心を乱すひとりに違いない。
でも。
隆「起こしてくれて、ありがと」
ポンポンと頭を撫でて
私を子ども扱いする隆二さんは
直人さんとも
岩田とも違う
ホッとするドキドキをくれる。
うん、やっぱりお兄ちゃんみたい。
隆「さ、降りよっか。
帰りも"りゅうちゃん"で起こしてね」
「起こさないです」
隆「じゃあ俺も起きない」
「だめです」
隆「あはは、厳しいなー」
隆二さんの笑顔についつられる。
こうやって笑うのは久しぶりな気がして
私は疲弊した心が
少しずつ回復していくような気がしていた。
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のの - 泣けるほどいいお話でした。 (2020年3月7日 22時) (レス) id: 78c4075499 (このIDを非表示/違反報告)
りーなりな(プロフ) - NEEさん» もう呼び捨てとかで大丈夫ですよ!笑 良かった。笑 はい、頑張ってくださいね♪ (2016年2月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 521bcd466b (このIDを非表示/違反報告)
白濱ちなり(プロフ) - そうですね!!こちらこそよろしくです!楽しみに待ってますね♪ (2016年2月4日 21時) (レス) id: c7613e2a94 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - まのかさん» やっとでございます!でも両想いは両想いで悩みが出てくるんですよねぇ。笑 パート5もよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 愛寧さん» やっと!です!ありがとうございます!なかなか終わりそうにありませぬ!笑 頑張ります!続きもよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NEE | 作成日時:2016年1月24日 0時