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195ー直人 ページ49

「ありがとうございました!大満足です!!」
 
 
ブーツを買って、それから夕飯を食べて
 
店を出ればすっかり真っ暗になっていた。



人「そっか。良かった。…よく似合ってるよ」
 
「嬉しい」
 

にこっと笑ったAちゃんは、そのあと寒そうにマフラーに顔を埋める。
 
 

人「夜はやっぱり冷えるね。大丈夫?タクシー呼ぼうか」
 

「…大丈夫です!
できれば駅まで、このまま歩きたい、な」
 
 
 
良かった。
俺もそう思っていたところだったから。
 
 
 
人「…仕事はもう慣れた?」
 

「あ、はい!皆さんには及ばないけど、何とかやれてます」
 

人「うん、頑張ってると思うよ、俺も」
 

「上司と先輩が優秀なおかげです!」
 
 

 
…言わなきゃ。
 
 

「…直人さん?」
 
 
 
足を止めた俺を不思議そうに見るAちゃん。


 
口が、重い。
 
 
人「…俺さ」
 

「…はい?」


人「…異動の内示が出たんだ」


 
 
言った。



 
彼女の反応は。
 
 
やっぱり、という顔をしていて。
 
 

そこは、驚くところでしょ?
本当に嘘が付けないんだから。


 

 
人「…驚かないんだね」
 

「何となく…風の噂で…」
 
 

まだ噂になるような話じゃないけど、
まぁ出どころは何でもいい。
 

 
人「最後までAちゃんの仕事、見てあげられないんだ。まずは、それを謝りたくて」
 

 
「そう、ですか…。でも、ご栄転なんですよね。
残念だけど、頑張ってほしいです」
 

改めて、イイコだな、この子は。

 

「私も頑張ります」
 
 

そう微笑まれて

 
嬉しい反面、残念な気持ちもある。
 
 
少し位は寂しそうな顔をしてくれないかな、なんて期待していたのに。
 
 
本題を話す決心が鈍る。
 

 

「…いつ頃なんですか?」

人「あ、ああ、まだ決まってないんだけど、多分春…」



あ。




雪。



街灯が照らす光で気付く。

底冷えすると思ったら、ちらちらと降る、細かい雪。
 
 
 
うつむいたままのAちゃん。
 
雪が前髪をぬらして
 
 
人「泣いてるかと思った…」
 
 
 
顔を上げた彼女にそう冗談めかして言うと
 
Aちゃんは俺を見て、微かにふ、と笑った。



 
「それは、直人さんの方でしょう?」
 

ドキン、と心臓がなった。

もしかして


 
「あの日も、雪、でしたよね」


 
…思い出したの?あのときのこと。

余談→←194



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作品ジャンル:恋愛
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のの - 泣けるほどいいお話でした。 (2020年3月7日 22時) (レス) id: 78c4075499 (このIDを非表示/違反報告)
りーなりな(プロフ) - NEEさん» もう呼び捨てとかで大丈夫ですよ!笑 良かった。笑 はい、頑張ってくださいね♪ (2016年2月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 521bcd466b (このIDを非表示/違反報告)
白濱ちなり(プロフ) - そうですね!!こちらこそよろしくです!楽しみに待ってますね♪ (2016年2月4日 21時) (レス) id: c7613e2a94 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - まのかさん» やっとでございます!でも両想いは両想いで悩みが出てくるんですよねぇ。笑 パート5もよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 愛寧さん» やっと!です!ありがとうございます!なかなか終わりそうにありませぬ!笑 頑張ります!続きもよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年1月24日 0時

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