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175ー直己 ページ29

己「直人さん、それは…」
 

顔色が優れない理由を聞き出して愕然とする。
 
なんてことだ。

今、ひとつの恋がすれ違おうとしている。

 
 
直人さんはAが好きで

Aは直人さんが好きで


一度離れて再会して、
 
 
お互いがお互いの気持ちを知らないまま
また終わってしまおうとしている。

 


言ってしまおうと思った。

…でもそれは出来なかった。

 
俺の独断でやるべきことではない。

Aの気持ちがもしかしたら今は揺らいでいるのかもしれないのに
無責任なことは出来ない、けれど。




もし愛し合っているのに知らずに離れてしまうのだとしたら
なんて悲しいことだろう。
 


 
己「直人さんは、あいつに気持ちを伝えないつもりですか?」
 

人「多分、困るだろうね、彼女。優しいから。
俺が伝えたいからって理由だけで告白するのは単なるエゴだから」


 
優しいのはあなただ、直人さん。
もっと貪欲でいいのに。



己「あいつの好きな人が、直人さんという可能性はありませんか?」

人「…絶対なんてないけど、それはないだろうね。
そんな都合のいいことがあれば奇跡だと思う」
 

 
その奇跡が、目の前にあるのに。
 

 
人「…彼女は覚えてないんだよ?俺が彼女を好きになったときのことも。

また会えたときは運命かもしれないなんて思ったけど、そう簡単にいかないよね」
 
 


本気だからこそ臆病になる。

それは仕方のないことだけど、少しのことですれ違った想いは重なるはずなのに。



人「ごめん、それだけなんだ。
このことは正式に出るまでは皆には言わないつもり」


己「わかりました」
 
 
人「じゃ、俺戻るね、ありがとう直己」


己「あ、直人さん!」


帰ろうとする直人さんを思わず引き留める。




 
己「あいつの…Aの声を、よく聞いてやってください。
直人さんのこと、慕っていますから」
 
 

そう言うと
直人さんはいつもの笑顔で答えた。

 

人「うん、勿論、俺が彼女の上司であるうちは、ちゃんと指導していくから安心して」
 
 
 
オフィスから出ていく直人さんを
俺はなんとも言えない気持ちで見送る。
 
 

他人の人生に首を突っ込むことは出来ないし

それぞれの判断により決められた運命なら
それは仕方のないことなのかもしれないけれど
 
 

 
少しくらいは、手を貸してもいいだろうか?
 
 


 
A、お前は俺の大切な部下だから。


 

176→←174ー直人



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作品ジャンル:恋愛
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のの - 泣けるほどいいお話でした。 (2020年3月7日 22時) (レス) id: 78c4075499 (このIDを非表示/違反報告)
りーなりな(プロフ) - NEEさん» もう呼び捨てとかで大丈夫ですよ!笑 良かった。笑 はい、頑張ってくださいね♪ (2016年2月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 521bcd466b (このIDを非表示/違反報告)
白濱ちなり(プロフ) - そうですね!!こちらこそよろしくです!楽しみに待ってますね♪ (2016年2月4日 21時) (レス) id: c7613e2a94 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - まのかさん» やっとでございます!でも両想いは両想いで悩みが出てくるんですよねぇ。笑 パート5もよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 愛寧さん» やっと!です!ありがとうございます!なかなか終わりそうにありませぬ!笑 頑張ります!続きもよろしくお願いします(*^^*) (2016年2月4日 20時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年1月24日 0時

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