LOvE PANiC 4

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隆「はい、新幹線のチケット」

「は、はい、ありがとうございます…」


　
あれからすぐにオフィスを出た隆二さんと私。

タクシーで駅に向かって、あっという間に新幹線のホーム。


大阪の会社との売買。

銀行融資の関わる売買は私が初めてだからということと
契約書類が多くて隆二さん一人じゃ効率が悪いとのことより同行することになったのがついさっき。

　
そんなことだったら、新しいスーツにするんだった、と少しだけ悔やまれる。

初めての出張に、少なからず緊張もある。




隆「日帰りだから大丈夫だよ。
大阪まで二時間半くらいかな、少し寝る？」


「大丈夫です」


さすがに先輩の横で爆睡するわけにはいかない。

隆二さんは「無理しなくていいのに」なんて笑うけど。

　
　

隆「4DとE…この席だね、座って」
　
「は、はい！」

　
新幹線に乗り込めば二人がけの席で
近い距離に一瞬どきりとする。

ふわりいい匂いが隣からして
触れそうな膝と膝に
私はさりげなく左に足を寄せる。



　
隆「…大丈夫？」

「え…？」


何に対しての大丈夫なのか。
わからず返答に困ると隆二さんが微笑う。


隆「昨日、岩ちゃんと何かあった？」

「え、えと…」



どこまで話していいのだろう。
　

隆「言いたくなかったらいいよ？

ただ、岩ちゃんのこととか直人さんのこととか
困ったことあったら相談乗るって言ったから」



そんな社交辞令のような約束まで覚えててくれていたことに少し感動する。


もしかして、今日この出張に連れ出してくれたのも
そのため…なんてことはないよね…？
　
　
隆「もし俺に話しづらいなら俺寝るから、
横で話してていいよ？」
　

「それじゃ私がただの独り言言ってる変な人じゃないですか…」


隆「大丈夫、寝たふりして聞いてるから」
　
　
じゃあ寝なくていいですから！と言うと

笑う隆二さんの笑顔に
何だか心がほんわりして、何となく甘えてしまおうかという気分になってくる。




　
隆「何か、悩んでて寝れなかったのかなって」
　
　
…隆二さんは、何でそんなことまでお見通しなのだろう？
　

隆「言ったら楽になることもあるから。それにほら、あと二時間半あるし」
　
　

優しい言葉に、全て話して判断を委ねてしまいそう。
　

そういえば直人さんへの気持ちに
一番に気付かれたのも隆二さんだったっけ。

　

直人さんのこと
岩田のこと

健二郎のこと

　
話、聞いてもらいたい気も、する。

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