LOvE PANiC 4

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ゆき。

真っ暗の中に申し訳程度にある街灯
微かに銀世界を照らす。
　

ちらちらと降る雪の中

向こうに見える男の人は泣いているみたいに見えた。


　
長い前髪は瞳を隠して、
　
まるで消えてしまいそうだった。



　
私は傷付いた子兎のように小さく見えたその人に

手を差し伸べずにはいられなかった。



　
深い深い情熱のもとにある想いに
胸が締め付けられそうで

　
その悲しそうな瞳は
不謹慎にも綺麗に見えて

私は目が離せない。
　


助けてあげたい。


　
どうしたら笑ってくれるかな？

　


きっとこの人、笑顔が素敵なのに。

　
　

　
暗闇の中

はっきりと浮かぶ顔。
　
　

その人は……
　
　






　

　


　
『……ちゃん、……Aちゃん！』
　

「ふ、ふぁ！？」


　
隆「着いたよ、東京」
　


気付けばガヤガヤと降りる準備をする乗客たちと
目の前には私を起こす隆二さんの姿。


……私、寝てたんだ。
　
　

隆「爆睡してたね」

「すみません…」

　
恥ずかしい。
口を開けて寝てたりしてなかったかな。。

　
隆「起こしてもらおうと思ったのに」
　
「すみません、後輩なのに」
　
隆「普通は先輩より早く起きて待ってるよね」
　



…今回は分がわるい。
普段上下関係気にしたことないくせに！と内心思っていたとしても
　
落ち度は私にある。
　

　
隆「罰として、今日は呼び方"隆ちゃん"ね」

「は！？」
　
隆「じゃなきゃ寝顔写真を直人さんに…」
　


……この人、やっぱり意地悪だ。



「わかりました…」
　


　

　
オフィスに戻れば皆さん揃っていて思い思いに心配をしてくれた。
　
　
人「商談、うまくいった？」
　

「はい！隆二さんが…」
隆「Aちゃん」
　

　
私の言葉を遮って私を呼んだ隆二さんは
ニコニコしながら携帯をちらつかせる。
　
　
あぁーもう！！
　
　

　
「り、隆ちゃんが商談をまとめて…」



人「隆ちゃん！？」
　
岩「は！？なにそれ！？」
　
　

…ほら。こうなるじゃないですか。


　
恨めしそうに見る私を見て笑顔で頷く隆二さんと

事情を知らないくせに訳知り顔で
このやり取りを外野から見て、静かに爆笑する臣さん
　
　


岩「あ！じゃあ俺のことは！？」

「岩田」

岩「なんで！」
　

　
人「隆…ちゃん…！？」
　


　
いや、違うんです、直人さん！！
夢を見てたら寝過ごしそうになって罰として…




って、あれ？

夢、どんなだったっけ？

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