23 H ページ23
「日付が替わるまでには帰らないと」
そう言いながらも
俺の部屋までついてくるなんて
俺と一緒にいたかったからだなんて
自惚れてもかまわないよな？
帰る時間も含めれば一時間ないくらい。
別に急ぐつもりはない。
Aと会えるのが今日を限りとするならば
きっと無理矢理にも抱いていただろうけど。
今日は、俺の部屋に来た。
自らの意思で。
とりあえずはそれで充分だ。
「いつまでホテル暮らしなの？」
臣「部屋がなかなか決まらねーんだよ。不動産屋行く暇もないし」
帰国してしばらく経つが
まだ俺はホテル暮らしのままだ。
取引先のホテルで費用はある程度融通してくれているが、やはり毎日となるとバカにはならない。
臣「部屋決まったらいつでも来いよ」
「…機会があったら、ね」
つれない返事だ。
まぁ、らしいよな。
ここでしっぽふってついてくる女じゃないことは
俺がよく知ってるけど。
それでも
急ぐつもりはなくても
二人の時間はAに触れていたい。
臣「A…」
Aをベッドに座らせて
俺は立ったままAを見下ろす。
人差し指で喉を撫でてやれば
くすぐったそうに肩を竦める。
「…ねこじゃないんだから」
訴えるように俺を見る目付きは
自然と上目使いになって
庇護欲を掻き立てると共に
苛めてやりたいような感覚も覚える。
臣「俺のねこになったら、全力で可愛がってやるけど」
毎日膝の上に乗せて
撫でて
甘くて幸せなコトも、全部
望むもの与えてやるのに。
「からかわないで。
私ばっかり、バカみたい」
臣「私ばっかり？なに？」
Aの隣に座り、手をとる。
左手の薬指にはきらめく契約の証。
そして、俺の望む関係の、
臣「"私ばっかりドキドキしてる？"」
「……」
沈黙は肯定の証か。
何も話さなくても、表情が、そうだと伝えている。
俺はAの左手を手に取ると
そっと、指にはまるそれに手をかけた。
引っ掛かりを予測して
強く引き抜こうとすると
思いの外それは第二関節を簡単に通過した。
と同時に左手を引っ込めるA。
こちらを軽く睨んでいるように見える。
さすがにやりすぎたか？
しかしそれは杞憂に終わる。
「これは、大切なものだから。
……粗雑に扱わないで」
そう言うとAはゆっくりと、丁重に
自らその指輪を外した。
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mikikomikiko042(プロフ) - 感情移入してしまい 泣けます 物語を読んでつくづく恋愛に正しいも正しくないもないのかもなと思いました。好きな気持ちは罪ですねー私は剛典が知っててクリスマスイブ自由にしたのに怖いよりもそーゆー選択もあるのかなと。 (2017年9月24日 0時) (
レス) id: bafd6d7784 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - 私もお話書かせて頂いてるのですがNEEさんの作品は私がお話書き始める前に読ませて頂いてました！久しぶりに読んだのですがやっぱり素敵なお話でいい刺激受けました＼(^^)／ありがとうございます！ (2017年8月11日 12時) (レス) id: af7111a19c (このIDを非表示/違反報告)
BABY.(プロフ) - NEEさんのお話は前から読まさせて頂いてるんですが、本当に感情移入しやすいので、物語で泣いたのは本当に初めてでした。臣と岩ちゃんのキャラ本当に大好きでした。感動するお話をありがとうございました！！！これからもNEEさん、応援してます ♪ (2016年8月14日 1時) (レス) id: 9ddc573c34 (このIDを非表示/違反報告)
NR - ズット読ませてもらってました！！名前変えたので覚えてもらえてないとは思いますが…すごく主人公ちゃんの気持ちがわかります！ダメなのわかってるのに目で追ってしまうー私も経験済みでした。見てない、気にしてないふりしなかまらガッツリ気になってるー止められませ (2016年8月1日 1時) (レス) id: 6fe09feffd (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - maman727さん» こちらもコメントありがとうございます！不倫だめなんですけど、わかってるんですけどねぇ。。確かに岩ちゃん離婚はしなさそうですね！ホラーですしね(笑) (2016年3月3日 9時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2015年12月4日 0時
