3 H ページ3
２年ぶりにみたAは変わらなくて
でもいい意味で落ち着きが出ていて
遠目にも何となく感じた色香に
どきりとした。
気にしてない風を装うと
あいつがフロアから出ていく。
動揺してんの？
それって、俺としてはまあまぁ嬉しいんだけど。
臣「またあとで。歓迎会よろしく」
周りの女の子たちから離れると
Aの後を追う。
こんなときは大体。
…休憩室。
この時間は人が少ないから。
臣「A！」
俺が呼ぶと顔をこちらに向けるA。
「広臣…なんでいるの？」
臣「お前がいると思ったから」
まっすぐ見つめると困ったように目をそらして、
それ、俺を意識してますって言ってるようなもん。
「いつも突然だよね。…久しぶり」
ようやく笑ったAの顔は
昔と変わらないままだ。
「昇進おめでとう。
広臣が私の上司なんて変な感じ。
登坂課長？……噛みそう」
臣「じゃあ女子には臣課長とか呼ばせようかな」
冗談でそう言うと
それはちょっと…と本気に捉えるA。
臣「…妬く？」
「は？何で広臣に！」
じゃあなんでそんな焦ってんの？
嘘つくの、下手なくせに。
臣「俺がほかの女の子といい感じになってんの
気になる？」
「べ、別に…」
臣「俺は気になるけど」
俺がAの左手を取って
薬指にはまるそれに触れる。
「広臣、冗談きついから…」
冗談じゃないけど。
そう言おうとしたところで邪魔が入る。
ﾕｷ「あー、臣さんいなくなったと思ったら
やっぱりここに二人でいたんですね？」
「ユキちゃん！」
安心したように
ユキちゃんに駆け寄るA。
困った？
だろうな。
結婚してから元カレに再会して
その元カレがまだ自分に好意を持っているなんて
どこのドラマだって話だよな。
俺だって吹っ切れたつもりで
でもそれは本当に"つもり"だったんだ。
Aを見てすぐ
フラッシュバックの様に甦る自分の想いに
俺は戸惑いはしなかった。
むしろ再認識しただけだ。
離れても色褪せなかったAが
特別な存在だったことに。
Aを守るのが俺の役目じゃないなら
勿論傷付けるのは本意ではないけど
多少傷がついてでも
鮮明に俺の存在を焼き付けたい。
歪んだ愛だと思う？
俺だって思うよ。
でも想いは止められないから
俺に熱を持たせたのは
お前だよ、A？
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mikikomikiko042(プロフ) - 感情移入してしまい 泣けます 物語を読んでつくづく恋愛に正しいも正しくないもないのかもなと思いました。好きな気持ちは罪ですねー私は剛典が知っててクリスマスイブ自由にしたのに怖いよりもそーゆー選択もあるのかなと。 (2017年9月24日 0時) (
レス) id: bafd6d7784 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - 私もお話書かせて頂いてるのですがNEEさんの作品は私がお話書き始める前に読ませて頂いてました！久しぶりに読んだのですがやっぱり素敵なお話でいい刺激受けました＼(^^)／ありがとうございます！ (2017年8月11日 12時) (レス) id: af7111a19c (このIDを非表示/違反報告)
BABY.(プロフ) - NEEさんのお話は前から読まさせて頂いてるんですが、本当に感情移入しやすいので、物語で泣いたのは本当に初めてでした。臣と岩ちゃんのキャラ本当に大好きでした。感動するお話をありがとうございました！！！これからもNEEさん、応援してます ♪ (2016年8月14日 1時) (レス) id: 9ddc573c34 (このIDを非表示/違反報告)
NR - ズット読ませてもらってました！！名前変えたので覚えてもらえてないとは思いますが…すごく主人公ちゃんの気持ちがわかります！ダメなのわかってるのに目で追ってしまうー私も経験済みでした。見てない、気にしてないふりしなかまらガッツリ気になってるー止められませ (2016年8月1日 1時) (レス) id: 6fe09feffd (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - maman727さん» こちらもコメントありがとうございます！不倫だめなんですけど、わかってるんですけどねぇ。。確かに岩ちゃん離婚はしなさそうですね！ホラーですしね(笑) (2016年3月3日 9時) (レス) id: 7b2f44dc73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2015年12月4日 0時
