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カルアside
ハウスでの一日が終わろうとしている。
今日はコニーの“巣立ちの日”と言ったら聞こえがいいだろうか。
素直に言おう。今日はコニーの“出荷の日”だ。
エマ「コニー、準備できた？」
エマとノーマンが部屋に入ってきてコニーに声を掛ける。すると少し驚いた顔をした。
理由は、俺がコニーの荷造りを手伝っていたからだろうか。
それともリボンを結んであげていただからだろうか。
持って行っても意味のない物を詰め込んだトランクを閉める。
コニー「どうかな…服…」
エマ「ばっちり！似合ってるよ！」
コニー「良かったぁ。ありがとう」
エマと話していたコニーが振り返って、俺を見た。
コニー「カルア、どう？似合ってる？」
正直、驚いた。
エマやノーマンの前で、コニーに話しかけられると思ってなかったから。
答えなきゃ。
『…おう、似合ってるよ。可愛い』
歳相応じゃない、少し低めの声でそう言う。
そう答えた俺を見て、またまたエマは驚いた顔をした。
コニー「うん！ありがとう！」
嬉しそうに笑った。
この笑顔は、今日中に亡くなる。
そう思うと、コニーの目を見れなかった。
コニー「…私、ハウスを出ても頑張る…大丈夫。この子…リトルバーニーがいるもん」
名残惜しそうにリトルバーニーを抱きしめながら、話し始めた。
コニー「あのね、リトルバーニーはね？世界に一つだけしかないんだよ」
コニーがリトルバーニーを優しく撫でる。
エマやノーマン達は、コニーを寂しそうに見つめている。
俺？俺は………何も思いたくない。
コニー「ママが私だけの為に作ってくれた＿宝物なの」
悲しい顔をしているエマ達とは違って、優しい声をしている。
コニー「私トロいし、みんなみたいににユウシュウじゃなかったけど」
コニー「大人になったら、ママみたいな“お母さん”になりたいんだ」
“それでね、絶対子供を捨てたりしないの！”
エマ「コニー…」
そう言ったコニーを、エマは抱きしめた。
この空気感に俺は耐えられなかった。
俺は、トランクとベッドに置かれていた帽子を持って部屋を出た。
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作者名：モンエナ子 | 作成日時：2022年9月5日 2時
