288時間目 ページ39
Aside
カルマの表情にはもう
さっきまでの怒りは見えなかった。
いつもの、あの子どものような笑顔で
" Aは鈍感だよね〜 "
なんて言って笑っている。
「…………………なんで
なんでもっと私のこと、怒らないの…」
パニックになっていたとはいえ
抵抗できずにいたのに。
キス、されそうになっていたのに。
赤羽「………………」
俯いて涙をこらえる私の頬を
大きな手がそっと包み込む。
赤羽「じゃあAは
前原にキス、されたかったの？」
真っ直ぐに目を見つめて
突拍子のないことを聞くカルマ。
「………っそんなわけ………」
言いかけた言葉は、頭を撫でられたことで
遮られる。
その語尾が分かりきっている、
とでも言うように。
赤羽「……なら、それでいい。
俺はAを信じてるから。」
「…………っ」
それは私に対する、絶対的な信頼。
嬉しすぎるその言葉に
堪えていた涙が溢れ出す。
「………ほんとにごめんっ……
ありがとう…」
声にならない言葉を繋いで
必死に伝えた。
頬に添えられた手が
今度は頬をつねる。
赤羽「そんなに謝らないの。
次謝ったら……お仕置きするからね。」
そう言って、怪しく笑った。
その色っぽさと優しさに
ドキドキする。
赤羽「…………まぁ
キスされなくてよかった。」
少し照れたように顔を逸らしてそう言った。
その可愛らしい姿に
こっちまで笑みがこぼれる。
.
.
その後私たちは、手を繋いで洞窟を出た。
みんなに散々からかわれたのは
言うまでもない。
そして前原はその後、私たちの元へ
謝りに来てくれた。
その誠実さを見て
カルマも私も、笑って仲直りした。
.
.
こうして私たちの
椚々丘中学校特別夏期講習沖縄リゾート2泊3日
は、幕を閉じた。
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るびー(プロフ) - Cocoさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます！！ (2020年1月7日 13時) (
レス) id: 1be613beca (このIDを非表示/違反報告)
Coco - 261話でスモッグの薬の説明のところで、[思いをふる]ではなく、[猛威を振るう]だと思います！ (2019年1月5日 9時) (レス) id: 514fef56d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびー | 作成日時：2016年5月29日 0時
