287時間目 ページ38
Aside
カルマに手を取られ、洞窟を歩く。
置いてきてしまった前原のことが
少し気になるけれど
そんなことを今のこの雰囲気の中で
言えるわけがない。
早足で歩くカルマに
ほぼ引きずられるような状態だ。
流石に辛くなってくる。
「…カルマ、もうちょっとゆっくり歩いてくれない…？」
赤羽「…………」
カルマは私の言葉のあと
少し歩いて突然ピタッと止まった。
「………ぶっ」
その反動のせいで勢い余って
カルマの背中にぶつかる。
離れようとしても手をつかまれていて
体勢を整えられない。
だから私はカルマにもたれ掛かる体勢だ。
少し戸惑うものの離れるのは無理なので
諦めてそのままでいる。
静寂の中で、かすかに口を開く音が聞こえた。
赤羽「……………ほんと」
「………………え？」
赤羽「………………ほんと、
馬鹿だよね。」
そっと私の目尻の涙を拭いながらそう呟く。
言葉とは裏腹の悲しそうな表情に
心臓がえぐられそうになる。
「…………ごめんなさい…。」
ただ、謝ることしか出来なかった。
赤羽「……なんで気づかないのかなぁ…。
前原、好き好きオーラ全開だったよ？」
あくまでも本気で私を責めないカルマの
優しさが痛かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るびー(プロフ) - Cocoさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます！！ (2020年1月7日 13時) (
レス) id: 1be613beca (このIDを非表示/違反報告)
Coco - 261話でスモッグの薬の説明のところで、[思いをふる]ではなく、[猛威を振るう]だと思います！ (2019年1月5日 9時) (レス) id: 514fef56d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るびー | 作成日時：2016年5月29日 0時
