251時間目 ページ2
Aside
鷹岡「……俺のやりたいことは分かるな。
この前のリターンマッチだ。」
潮田「……待ってください、鷹岡先生。
戦いに来たわけじゃないんです。」
渚の足元のナイフを見て言う鷹岡に
落ち着いて話しかける。
そんな渚を嘲笑うように
鷹岡は顎を突き出して見下ろす。
鷹岡「だろうなぁ。
この前みたいな卑怯な手はもう通じねぇ。
一瞬で俺に殺られるのは目に見えてる。」
大きな映画館のスクリーンで
クライマックスシーンを
見ているかのように
心も身体も、徐々に鷹岡のペースに
飲まれていく。
手には自然と、力が入っていた。
鷹岡「だがなぁ、
一瞬で終わっちゃ俺としても気が晴れねぇ。
だから戦う前に
やることやってもらわなくちゃなぁ。」
何やら怪しく笑い、ハテナを浮かべる渚に
指を地面に向けて見せた。
鷹岡「謝罪しろ、土下座だ。」
「…………っ！」
うっすらと感じていた嫌な予感は
的中してしまった。
怒りという言葉が
薄っぺらく聞こえるほどの激しい憤り。
初めてのその感情に
拳が震えるのを必死で抑える。
謝らなくていい、渚は悪くない。
………それなのに
「………なぎさっ…」
渚は、ゆっくりと正座をした。
自分のプライドよりも
治療薬を守ることを優先して。
潮田「………僕は実力がないから、
卑怯な手で奇襲しました。
ごめんなさい。」
頭を地面に当てて、そう言った。
その屈辱的な行為に
視界が歪みそうなほど
悔しい気持ちが顔に表れる。
……でもこの場では
こうするしか方法がない。
それが分かっているからこそ
無理やりにでも、鷹岡への怒りを封じ込めた。
「………やっぱり
私が行けばよかった…」
これから起こる残酷な戦いを想像して
誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。
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るびー(プロフ) - Cocoさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます！！ (2020年1月7日 13時) (
レス) id: 1be613beca (このIDを非表示/違反報告)
Coco - 261話でスモッグの薬の説明のところで、[思いをふる]ではなく、[猛威を振るう]だと思います！ (2019年1月5日 9時) (レス) id: 514fef56d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るびー | 作成日時：2016年5月29日 0時
