佰伍拾弐 ページ10
Aside
時は、平安時代_____
呪術全盛の時代。
『彼女』は呪術師として
己の生を全うしていた。
それも、呪いの王として君臨していた
両面宿儺と、対等に戦うことが
できるほどの実力で。
当然、術師が総力を挙げて
彼に挑んだ戦いにも
最前線で参加していた。
だが、術師たちは破れ
戦いに飽きた宿儺は
興を加えるため
唯一の敵である『彼女』に
ある呪いをかけた。
それは、千年の時を経て
後世にまで及ぶほど、強い呪い。
この呪いにより、『彼女』の子孫は
日本中のありとあらゆる呪霊を引き寄せ
己にも、周囲の人間にも
災いをもたらす疫病神となった。
それを憂いた『彼女』の魂が
呪いから子孫を守る守護神として
宿るようになり
いつの時代からか、皇一族は
宿儺の呪いにより呪霊を引き寄せ
『彼女』の魂により呪霊を跳ね飛ばす
不可解な性質の呪力を持つようになった。
「…彼女の名前は、
呪力のコントロールを失っても
出力が最小限に抑えられていたのは
鷲見のおかげ。」
…取り戻したのは
傑や悟に関する記憶だけではない。
共有していた、鷲見の記憶も
思い出した。
千年以上前に実在した、彼女の記憶。
おそらく、悟と再会したあの日
家の周りに呪霊が大量発生したのは
宿儺が受肉したことで
鷲見の力が一時的に不安定になったから。
肉体の主導権が
虎杖くんにあるとはいえ
すぐそこに宿儺がいるのなら
またいつ、暴走してもおかしくはない。
…それに、おそらく宿儺は
気づいている。
私が、鷲見の子孫であることも
鷲見の魂が、私の中に
宿っていることも。
…宿儺の呪いを受けた
半分呪いの私が
人間として、呪術師として
生きていくための、唯一の方法…
それは、宿儺を倒し、呪いを解くこと。
つまり………虎杖くんを、殺すこと。
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作者名:るびー | 作成日時:2024年2月15日 9時