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佰捌拾玖 ページ48

五条side










A「…欲しいものとか、ない?」







首を軽く傾けて、自然な上目遣いで
こちらの様子を窺うA。






あまりにも、可愛いがすぎる。















…欲しいもの、ねぇ。







そんなもの
挙げだしたらきりがない。






Aの心、Aの身体、
Aの愛、Aの人生。






唯一無二の、垂涎の的。






欲しいと言葉にするだけで
手に入るのなら





息をする間も惜しんで
口ずさんでいるだろうね。







…でも、どんなに願っても





どんなに望んでも






それは手に入るどころか
一片たりとも掴むことすらできずに





いつも、隙間からすり抜けていく。






触れられそうで、触れられない。






すぐ傍にあるようで、実は遥か遠く。






…Aは、雲みたいだ。






自由自在に形を変えて





時には入道雲のように
碧い空に彩りを与えたかと思えば






時には雷雲のように
恐ろしいほどの漆黒の闇で
太陽をも飲み込んでしまう。






誰にも、その姿を掴ませない。






それゆえに
誰も彼女の本質を知らない。






どんなに地位や権力を
振りかざそうとも






Aは決して、縛られない。






孤独を秘めた、自由の象徴。







そんな雲を支配して、独占して
腕の中に留めておきたいと願うのは






あまりにも無謀かな。







でも、それでも、僕は…
















「欲しいもの…ね。




何だと思う?」








A「分からないから訊いてるのに…。」








「じゃあ考えて、選んでみてよ。





Aがくれるものなら
僕は何だって嬉しいからさ。」









この気持ちに、少しも嘘はない。






Aが僕のことを想って
選んでくれたものなら






そこらへんの石ころだって
ダイヤモンドよりも美しい宝石だ。








A「…分かった。





あんまり期待はしないでね。」







そう言って、少し困ったように
はにかむAの心に





つま先だけでも入り込めるのだと思うと
何とも形容しがたい高揚感がある。





Aが、僕の心を推し量って
僕に何を選んでくれるのか…





ほんとに楽しみだ。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:るびー | 作成日時:2024年2月15日 9時

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