佰漆拾漆 ページ36
五条side
やっっと、
Aに会えるチャンスがやってきた。
情報の伝達ミスで
予定より大幅に早く任務が終わって
丁度Aを迎えに行くところだった
伊地知を捕まえて、車に乗り込んだ。
走行距離に応じて強くなる
Aの呪力の気配。
やっと、会える。
やっと、話せる。
そう思うだけで、
年甲斐もなく胸が高鳴るのは
やっぱり幸せなことだ。
でも、近づくにつれて、
心地よさの中に混じる
Aのものではない微弱な呪力を
感知して、眉間に皺が寄る。
「………ねぇ、
もしかして、恵もいる?」
伊地知「伏黒君………ですか?
彼は、Aさんとは
別行動のはずですが…。」
一応念の為に
答えの分かっている質問をして
そうだよねぇと頷く。
恵がAと一緒にいるにしては
呪力の気配が薄すぎる。
でも、Aの呪力に重なるようにして
恵の呪力が存在しているのは間違いない。
まさか…。
いや、考えたくないけど。
嫌な予感が頭の中に充満したところで
車は停止する。
後ろ姿を見ただけで
その身体の限界が近いことが分かるほど
Aは日々の激務で疲弊していた。
おまけに、呪霊を祓うのに必要な呪力量を
大幅に超えて出力し続けたみたいで
呪力はカラカラだ。
一体、なんでそんな無茶を…。
器用なAらしくない。
A「………悟…?」
でも、数日ぶりに聞く
Aの心地いい声を堪能するために
あらゆる思考を一旦停止する。
Aは大きな目をさらに開いて
驚いた表情を浮かべている。
あー…、はい、可愛い。
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作者名:るびー | 作成日時:2024年2月15日 9時