佰陸拾伍 ページ24
伏黒side
Aとほぼ同時に
現れた五条先生を見て
何となく察してしまった。
二人はきっと、
同じ部屋で、同じベッドで…
寝ていたんだろうと。
………いや、
ただ寝ていただけなんて
有り得るのか…?
Aは生徒ではあるが
年は恐らく五条先生と大して変わらないし
先生はAを、
生徒だなんて思っていない。
それどころか、一人の女性として
尋常ではないほどの
好意を抱いている。
大人の男女が一晩同じ部屋で過ごして
何もないなんてこと…
あるわけ、ないよな。
いやでも、流石の五条先生でも
好きな人の合意も得ずに、
なんてことは…。
いくら考えたところで
明確な答えは出ないし
直接本人たちに
訊くこともできない以上
どうしようもない。
時間とエネルギーの無駄だ。
そう頭では理解していても
何故かその理解しているはずの頭で
思考を続けてしまう。
おかげで、
時間差ですっ飛んできた学長によって
その場が治められるまでの経緯は
よく覚えていない。
そして、その夜には
Aの目覚めを祝う会が
執り行われた。
メニューは
病み上がりのAを気遣って
温かいうどん。
パーティーとは程遠い
ただの夕食会だったが
Aは嬉しそうに
一口ずつ丁寧に味わっていた。
………可愛い。
一人生徒に混じって
Aの横を陣取る先生が居なければ
より最高だったのに。
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作者名:るびー | 作成日時:2024年2月15日 9時