佰陸拾肆 ページ23
伏黒side
次の日、
医務室の方から聞こえてきた悲鳴で
目が覚めた。
何事かと思って
同じく飛び起きた虎杖と駆け付けると
釘崎が、『Aが消えた』と
大騒ぎしていた。
あぁ…そういや、
伝えるの忘れてたな。
そう思って、
喚いて虎杖の胸ぐらを掴んで
揺すっている釘崎に説明しようにも
その虎杖も『え!?なんで!?』と
叫んでいるせいで、かき消されるし
集まってきた先輩たちにも
Aがいないことが伝わって
あっという間に
収拾がつかなくなってきた。
あぁもう、
朝っぱらから声が脳に響いて
割れそうだ。
一旦耳を塞いで
こいつらが疲れて落ち着くのを待とう。
そう決めて
耳元に近づけた手の隙間を
すり抜けて入ってきたのは
A「どうしたの…?
こんなところで…。」
なんていう、事の張本人の呑気な声。
…最悪なタイミングだ。
医務室のベッドから消えたAが
突然、背後から現れるもんだから
さらに事態は悪化する。
虎杖「ええええええっA?!
なに?!どゆこと?!」
釘崎「はっ…?A…?!
あんた…目覚めたの?!
…ってかどこ行ってたのよ!!」
A「あ…えっと…」
本人が説明しようにも
釘崎に勢いよく
肩を揺すられているせいで
声を発する隙がない。
いや、虎杖はいいとしても
立っているのがやっとなはずのAに
それはまずいだろ…。
禪院「おい、落ち着け野薔薇。」
だが、俺が止めに入るよりも先に
真希さんが釘崎の頭を殴った。
そして、よろけた釘崎を
受け止めようとして
倒れそうになったAを
後ろから抱きしめるように支えたのは…
五条「いやぁー、
なんか面白いことになってんね。」
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作者名:るびー | 作成日時:2024年2月15日 9時