770時間目 ページ8
Aside
茅野「A…！
一体何がどうなってるの…？！」
「カエデ…！
私も何がなんだか…。」
こちらに駆け寄ってくるカエデに
いつもの笑顔はなく、困惑した表情だった。
…いや、それはカエデだけではない。
この事態の原因に、私たちのターゲットが関わっていると
E組の誰もが考え、不安を隠しきれずにいた。
マスコミ「ご覧下さい！
あちらにいるのが、怪物の恐怖に脅されていた、生徒たちでしょうか！」
眩しいフラッシュで歪んだ視界には
好奇心を満たすために集まった、大人たちの姿。
つい先ほどまでの日常が嘘のように
何もかもが非日常的だった。
「君たちが人質にされていた中学生？」
「今の気持ちは？！」
私にマイクを向ける記者の目には
私は映っていない。
その目に映るのは
金と欲に歪んだ詮索心だけ。
彼らは私を、中学生としても
人間としても見ていない。
彼らにとって私は、
ただのスクープのネタでしかない。
それが分かった途端、
なんだか急に怖くなった。
一斉に群がるマスコミに思わず後退りをすると
カルマが私をかばうように前に立った。
赤羽「あんたらには関係ないよ。」
自分も混乱しているはずなのに
それでも私を気遣ってくれる優しさが
私の恐怖心を拭い去った。
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作者名：るびー | 作成日時：2023年1月14日 16時
