赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ6)

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カルマside

「…………A、どうしたの？」

最終進路報告を終えて帰ってきてから
どこかぼんやりとしているA。

また京子さんや谷川さんのことを
思い出しているのか。

それとも、それとは別の何かを考えているのか。

「A、大丈夫？」

何度呼んでも反応しないAの
薄い肩にそっと手を置く。

A「っ……ああ、

…ごめん、なんでもない。」

何かを誤魔化そうとするときの
彼女の悪い癖だ。

細い指できれいな髪を耳にかけ
少し笑って目を逸らす。

「…ふーん。」

こういうとき、
無理には追及しないことにしている。

ソファに座るAの横で
黙って頭を撫で、俺の肩に寄りかからせる。

そうするとAは
少し表情を和らげて体を委ねてくれる。

今は、それだけでいい。
それだけで、十分なんだ。

Aが少しでも俺の隣で
安心してくれるなら。

A「…………ねぇ

あれ、なに…？」

せっかく和らいだ表情を
再び歪めて窓の外を見つめる。

その綺麗な青い瞳に誘われるように
俺は視線の先に目を向ける。

「…………っ…！」

それは、見たこともないような
大きなオレンジ色の、不気味な光だった。