赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ40)

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Aside

「殺せんせー…っ！」

みんなの楯となり、死神からの攻撃を
正面から受け続ける殺せんせーの身体は
遠目からでも分かるほどに、ぼろぼろになっていた。

……もっと速く。

もっと速く、殺せんせーの元へ行きたいのに
痛めつけられた脚は、私の言うことを聞いてくれない。

…折れたっていい。

もう一生、動かせなくたっていい。

…だから、お願い。

今だけ、動いて……っ！

赤羽「Aっ………！！」

カルマの声で、私の意識は初めて
目の前の光景を認識する。

殺せんせーより何倍も大きな
二代目死神が、私を見て笑っていた。

その触手には、エネルギーが溜められていく。

私を殺すための、エネルギーが。

……昔からずっと、

死は身の周りに溢れていたはずなのに。

死を身近に感じたのは、初めてだった。

そしてなぜか、頭の中はやけに冷静で
目の前の光を、他人事のように眺めていた。

直立二足歩行を忘れてしまったかのように
脚はもう、ピクリとも動かなかった。

…あぁ、眩しいな。

なんて思って、瞼で瞳を覆い隠した。