赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ37)

今日:12 hit、昨日:7 hit、合計:12,923 hit

799時間目ページ37

Aside

私はわざと当てない射撃で
お母さんの気を逸らしながら、森の中へと入っていく。

ここには、殺せんせー用に仕掛けた罠が
至る所に眠っている。

その中で、最短距離に仕掛けられた罠へと
お母さんを誘導していく。

どういう訳か、彼女は私のことしか
眼中にないようだった。

身体が木にぶつかるのもお構いなしに
必死に追いかけてくる。

そして、突如私はその視界から消え
彼女が罠のある場所まで来るのを、息をひそめて待つ。

見失った私を探すその触手が
射程圏内に入った瞬間

「よいしょ……っと！」

私は隠れていた木から
ロープとともに勢いよく飛び降りる。

すると私の体重により、
お母さんの脚にかかったロープが引き上げられ
その身体は宙に浮く。

あとは触手を動かせないように
素早く全身を拘束すれば、捕獲完了だ。

…お母さんはまるで獣のように唸り
目の前のハンター(わたし)を睨みつける。

「……待っててね、お母さん。」

幸いにも改造度が低く、
あまり触手を取り込んでいない状態のため

私の触手を取り除いてくれた時のように
殺せんせーなら、お母さんの触手も取り除いてくれるかもしれない。

そのためにも、今度は殺せんせーを守らなければならない。