赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ36)

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Aside

心が折れかかっていた時
後方からみんなの驚いた声が聞こえてきた。

何事かと思い振り返ると
殺せんせーが二代目死神の触手攻撃を躱(かわ)し始めているのが見えた。

自分よりも二倍も戦力差のある相手に
臆することなく工夫して立ち向かうその姿に

私は自分も戦闘中だということを忘れ
思わず目を奪われた。

……やっぱり、殺せんせーはどこまでも先生だ。

言葉だけでなく、
実践でも私たちに授業をしている。

…殺せんせーのおかげで、目が覚めた。

殺さなくても、お母さんを助ける方法はきっとある。

触手を切り裂かなくても、戦う方法はきっとある。

この一年、殺せんせーが教えてくれたことの
集大成を見せる時が来たんだ。

……いつも正面から立ち向かわなくていい。

避難しても、隠れてもいい。

反則でなければ奇襲もしていい。

常識外れの武器を使ってもいい。

脳内で殺せんせーの教えを集結させ
この状況での最善策を探し出す。

そして、私はある一つの策を思い付いた。

……いける。

これなら、お母さんを殺さずに
助けられるかもしれない。