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カルマside
…今までで一度だって、こんなにもはっきりと
頼ってもらえたことがあっただろうか。
これまでのAなら、迷うことなく
京子さんのことも、Ｅ組のみんなのことも、
自分一人で救おうとしていただろう。
…でも、今は違う。
俺の力を信頼して、任せてくれた。
―――― “ もし私が困ったら、
迷わずカルマを信頼して、任せるよ ”
…あぁそうか。
俺は今やっと、本当の意味で
Aの傍にいることができているんだ。
彼女の前にも居られるような男になろうと
自分に決めたあの日の約束を、俺は果たすことができたんだ。
「…もちろん、任せて。」
俺とAはハイタッチを交わして
それぞれの、今 守るべき人の元へ向かう。
.
……でも、俺は甘かった。
目の前で繰り広げられる、次元を超えた戦いを
ただ見ていることしかできなかった。
ここで俺ができることはせいぜい皆に
逃げる方向を指示したり、飛んでくる石の破片から
誰かを庇うことくらいだ。
今、みんなを本当に守っているのは、俺じゃない。
……殺せんせーだ。
やっぱり、俺らは殺せんせーの……
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作者名：るびー | 作成日時：2023年1月14日 16時
