赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ30)

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Aside

……私は殺し屋、Small deathとして
何人もの大人を手にかけてきた。

それでも、私利私欲のために
人を殺したことは一度もない。

ロヴロ先生に拾われ、殺し屋になると決めた時から
それだけはずっと守ってきた。

だから私は、憎い父も…当時は憎かったお母さんも
この手では殺さなかった。

……でも、今はそんな信念など
どうでもいいくらいに

目の前の男をズタズタに切り裂いて

ゆっくりと時間をかけて

できるだけ苦しめて殺してやりたい。

――――“ Aさんは警察官になりたいんでしたね。 ”

「…………っ…」

……でも、こんな時に思い出すのは
殺せんせーとの進路相談だった。

“ きっとなれますよ、立派な警察官に。 ”

……そうだった。

私は、警察官になりたいんだ。

初対面の私にも寄り添ってくれた
温かくて優しい、谷川さんのような

……そんな警察官に、なりたいんだ。

その想いが脳裏をよぎった時

柳沢を殺すつもりだった手は
力加減を思い出し

死なない程度に
そのにやけ面を殴り飛ばした。