791時間目 ページ29
Aside
柳沢「ふはははっ……
……そうだ。
あいつは俺が殺した。」
「……っ…！」
……やはり、谷川さんも柳沢に…！
淡々と言い放つ柳沢には
罪悪感どころか、何の感情もない。
一方で私の拳は、激昂のあまり
震えが止まらなかった。
爪が食い込んで皮膚が裂け
赤黒い血が流れ出すほどに。
柳沢「警察官なら、いいモルモットになると思ったんだがなぁ…
雑に扱っていたら、壊してしまった。」
「……………」
プツン、と何かが切れる音が
はっきりと聞こえた。
その非情な言葉で
私の中の怒りは嘘のように鎮まる。
これまで感じていた感情は
すべて幻だったかのように、落ち着いてる。
怒りも、悲しみも、憎しみも
すべてが度を越えて溢れ出し
何も感じなくなった。
そして空っぽになった心で
ただこう思った。
――――こいつを、殺したい。
その唯一残った感情に触れた瞬間
私は柳沢の元へ走り出していた。
赤羽「A……っ！！」
……カルマの、みんなの止める声は
ちゃんと聞こえた。
でももう、殺意に従う身体は止められない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るびー | 作成日時：2023年1月14日 16時
