789時間目 ページ27
Aside
……二代目死神が再び舞い戻ってきたことは
目の前の怪物を見れば理解できる。
でも…、じゃあそのもう一体の人型は
誰なんだろうか。
柳沢「…さて、ではこいつのお披露目タイムといこうか。」
私の視線を察知したように
柳沢は怪しく笑う。
そして、残された人型のチャックを
ゆっくりと下ろした。
二代目死神よりも少し小柄で
改造レベルも低いように見える。
だが、だんだんと露わになっていくその姿に
心臓の鼓動も速くなっていく。
そしてその全貌が明らかになったとき
私のすべての思考回路は停止した。
「……っ…！」
その人型の目の中心にあるのは
綺麗な青い瞳。
そして真っ直ぐに私を見つめる、その顔。
触手によって侵蝕されていても
面影はかなり残っていた。
……私には分かる。
どんな姿になろうとも、
この人は私の……
「…………おかあ、さん……」
――――あの日、大量の血とブレスレットを残し
行方が分からなくなっていた母が、そこにいた。
体中から触手を生やした、変わり果てた姿で。
遺体が見つからないと言われた時から
……どこかで生きていると、信じていた。
でも、まさか……
柳沢に、捕まっていたなんて。
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作者名：るびー | 作成日時：2023年1月14日 16時
