赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ26)

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Aside

……突然、目の前で破壊されたケーキに
誰もが言葉を失った。

足元に転がってきたイチゴは土まみれで
その原型さえ忘れようとしていた。

？「……ハッピーバースデー。」

呆然と立ち尽くす私たちの前に
森の茂みから現れた人物。

闇夜では目立つ、相変わらずの白装束だ。

「…柳沢……！」

そしてその隣には
黒い全身スーツで覆われた、二人の人影。

その輪郭は、不自然に流動している。

柳沢「…機は熟した。

世界一残酷な死をプレゼントしよう。」

そう言った柳沢の隣で
一体の人型が、スーツのチャックを下ろす。

？『…先生、僕が誰だか分かるよね？』

とても人のものとは思えない、
濁った歪んだ声だった。

だがその正体には、みんなも薄々気が付いている。

すっかりその面影を無くしているが…間違いない。

柳沢「改めて生徒たちにも紹介しよう。

彼が、そのタコから死神の名を奪った男だ。

そして……今日からは彼が新しい殺せんせーだ。」

目にも止まらぬ速さでスーツを脱ぎ捨て
旧校舎の屋根に飛び乗った二代目死神は

あの廃墟で対峙したときよりも
さらに強度と攻撃性を増しているように見えた。