赤羽業【アカガミのキンパツ女】18 (ページ23)

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カルマside

殺せんせー「…ところで中村さん。

山中の激戦でも、君の足音は大人しかったですねぇ。

しかも、甘い匂いがするようですが…！」

子どものようにそわそわし始める先生に
Aとその隣にいた中村は目配せをする。

中村「地獄耳で地獄鼻かい…。」

中村はここに来るまでずっと
大事に腰から下げていた鞄を開け

中から大きな苺が乗ったケーキを取り出した。

中村「月が爆発した日から、今日でちょうど一年でしょ？

確か雪村先生は、今日を殺せんせーの誕生日にしたんだよね。

これを崩さずに持って来れる私の技術を
褒めて欲しいな…って聞けよ！！」

どうやら殺せんせーは中村の説明よりも
甘い香りのケーキに夢中のようだ。

地面に四つん這いになってよだれを垂らすその姿は
まるで罠にかかる直前の小動物のようだった。

Aもそう思ったのか
クスクスと控えめに笑っていた。

殺せんせー「…ですがこのケーキの運搬には

Aさんも関わっていたようですねぇ。」

A「……！」

…やっぱり、さすがに殺せんせーは鋭い。

元殺し屋が最大限に消した足音でも
この先生には分かってしまうらしい。