mission 73 ページ23
yb side
「お二人って、仲良いですよね。いつからのお知り合いなんですか？」
無事に用意してくれた車に乗り、発進早々、涼介が声を掛けてきた。
それに窓の外を眺めながら高木が答える。
「高校から。そんなに仲良く見える？」
「さっきだって三樹矢さん、高木さんに引き摺られてきたじゃないですか。あんなこと出来る仲なの、お二人くらいですよ」
「引き摺るって……」
「それに、今日はなんか雰囲気が違う」
「「は？」」
揃った声に、思わず高木と顔を見合わせると、くすくす、と笑い声がした。
ほら、と涼介の顔に書いてある。
「高校からの友達で同じ職に就くなんて、運命ですね」
その無駄にロマンチックな言い方に、高木が上半身を起こした。
「……お前モテるだろ」
「高木さん程じゃないですよ」
「なんで客引きばっかやってんのか意味分かんねぇ」
「けばけばの女の人に言い寄られるのは嫌ですし、男ならもっと可愛い人とヤりたいですから」
「結構言うのな」
「理想は高く、ですよ」
達観した言い方に、高木が大きく溜め息を吐いた。
俺の方を横目でちら、と見た。
「何だこいつ、次元が違げぇ」と俺には聞こえる。
「ほら、それですよ。その目で会話するところ」
「え、なにが」
「今日は特に雰囲気が違います。いつもはそんなに長く見つめ合いません」
「今の長かったか？」
「ちら、どころじゃないです。じー、でした」
「お前運転に集中しろ」
なんだか疲れてきた。
多分、人懐っこい後輩に慕われるとこんな感じだ。
「……高木さん家の方が近いですけど、どうします？」
「疲れてるし、俺の家でいいよ」
「了解です」
俺に有無を言わせないやり取りに、突っ込む隙もない。
「おい」
「……はい？」
「家に帰らせろ」
運転席を後ろから掴み、涼介の耳元で唸った。
思った以上に低い声が出たな、と思っていると、高木が直ぐに反応した。
「俺の家に不満でもあるのかよ」
「大ありだ」
「言ってみろ」
「お前がいる」
ぶふっ、と盛大に吹いた音が前方から聞こえた。
「どちらの家でも構いませんよ。お二人とも下ろしますけど」
「おい、」
「暴れんな」
利き手側にいた高木に肩を背凭れに押し付けられ、そのまま右肩も固定された。
その素早い動きに身体が固まる。
「シートベルト外したから、事故んなよ」
「ちょっ、怖いっす」
二人の軽い会話に、勝ち目はない、と俺は力を抜いた。
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柊(プロフ) - クリスさん» コメントありがとうございます！亀更新ではありますが、これからも応援していただけると嬉しいです。ぜひ楽しんで下さい！ (2021年2月17日 23時) (
レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
クリス - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2021年2月17日 22時) (レス) id: e4548ba768 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 百夢叶さん» コメントありごとうございます！やる気出ました笑 (2020年5月2日 18時) (レス) id: 351dea1b4f (このIDを非表示/違反報告)
百夢叶(プロフ) - 更新待ってます！頑張ってください！ (2020年5月2日 17時) (レス) id: 4a44319a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2020年1月1日 22時
