mission 69 ページ19
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深夜二時。
携帯に着信が入り、迷わず手を伸ばした。
「今何時だと思ってんの、ばか薮ぅ」
「開口一番に馬鹿かよ。お前も起きて光が帰って来るの待ってた癖に」
言い当てられて、思わず言葉に詰まった。
馬鹿な薮は、こういう時だけ嫌になる程鋭い。
「……んで？要件は」
「誤魔化すの下手くそ。お前病気のことバレてたぞ」
「そうみたいだねぇ。これだから耳の良い若者は……」
「光の所為にすんな」
「んまぁ、もう直バレる頃だとは思ってたよ」
ただちょっと、早かったかな。
流石に俺でも驚いた。
あの時もう少し慎重に行動していれば。
あの時部屋の鍵を閉めていれば。
あの時。あの時……。
後悔はしても引き摺らないのが俺の取り柄だったのに。
最近はどうもダメだ。こんなにも自分が嫌い。
まぁ今がどうであれ、俺が居なくなった時、光が悲しまなければ結果オーライなのだけれど。
「はぁ……。……俺が光に好かれる前に、死ぬんじゃねぇよ」
「なーんか辛辣」
「……死ぬな」
素気ない一言と共に一方的に切られた電話。
似た者同士、厄介な関係になったもんだ。
「高校生の頃はあんなに可愛かったのに」
大人になっちゃって。慧くん寂しい。←
一人で百面相していたら、本当に寂しくなってきた。
まだ聞き足りないことがあったし、今度は俺から薮に電話した。
「まだ何か用ですか」
「光は今どうしてる？」
「あぁ……さっき高木が帰ってきたから、有岡と一緒にそっち帰るんじゃねぇか？」
「え、大ちゃんも一緒なの？」
「光がそう言ってた」
大ちゃんまで巻き込んでるなんて、聞いてないよ光。
大ちゃんも大ちゃんだ。
光を引き留めてって頼んだのになぁ、俺。
「そういえば大ちゃんの親御さん、二人とも朝まで仕事だって言ってた……」
「だろうな」
暫しの沈黙。
そして気付いた。
あれ、高木が帰ってきたから、って何。
「……待って、高木も一緒だったって口振りだったよね？今」
そう言えば途端に口籠る薮。
そっちのが分かりやすいっての。
「なんでそういうところだけ鋭いかな……」
「で、どうなの」
「あぁそうだよ」
そんで、高木が有岡に興味持ち始めた。
「は？」
「俺だってまだちゃんと聞けてねぇけど、二人がこっちに来ないように促したっぽい」
「……それなら良いけど」
「高木のことはこっちでなんとかするから、伊野尾は自分の心配をしろ」
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柊(プロフ) - クリスさん» コメントありがとうございます！亀更新ではありますが、これからも応援していただけると嬉しいです。ぜひ楽しんで下さい！ (2021年2月17日 23時) (
レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
クリス - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2021年2月17日 22時) (レス) id: e4548ba768 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 百夢叶さん» コメントありごとうございます！やる気出ました笑 (2020年5月2日 18時) (レス) id: 351dea1b4f (このIDを非表示/違反報告)
百夢叶(プロフ) - 更新待ってます！頑張ってください！ (2020年5月2日 17時) (レス) id: 4a44319a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊 | 作成日時：2020年1月1日 22時
