mission 62 ページ12
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(俺なにも用事なんてねぇけど!?)
(いいからいいから)
高木と目で会話をすること1分。
なぜか譲ろうとしない高木に俺が折れて、大ちゃんを唆さないように、と目で忠告してから階段を降りた。
伝えたことを高木が分かっているかどうかは謎だ。
屋上を追い出された俺は、一瞬だけ帰ってやろうかと思ったが、大ちゃんに罪は無いことを思い出した。
大ちゃんを置いて行ける訳もなく、仕方なしにあの場所に向かった。
「あ、光くん。今日も来たんだ?」
「あ、……はい」
入り慣れた店の前に来ると、まだ開店前だからか店番が立っていた。
あの時俺が追われていたのに入るなと止めたあいつだ。
急に話しかけられて、本当に驚いた。
え、てかなんで光くんって呼ばれてんだよ俺。
「三樹矢さんなら今いないよ」
「え?」
「だって、三樹矢さんに会いに来たんだろ?」
完全に読まれてる。なんだろ、めっちゃ悔しい。
……いやでも、違ぇし。
俺は大ちゃんを置いて行けなくてここしか当てが無かったから来ただけであって。
元はと言えば高木が大ちゃんと話したい、って暗に主張してきたからこうなった訳だし。
……じゃあ高木の所為じゃん!←
「あいつに会いに来るとか、誰がするかっての」
「またまた〜」
「取り敢えず中入れてよ。もう少ししたら高木も来ると思うし」
「雄也さんが?」
「そ。俺はあいつが用を済ませるまで待ってる係だから」
どんな関係だこいつ、とでも言いたそうな目を向けられたが、そんなことは気にしない。
口が滑って不利益を被りそうな気しかしないし。
「中にいるのは構わないけど、もうすぐ開店だから断っといて。あと、今度三樹矢さんとの関係教えてよ」
「は?」
「こういうことすると俺が怒られかねないし、貸しってやつ?」
得意気に笑って「どうぞ」と扉を開けてくれた。
なんだこいつ。俺より生意気。
「……分かった。いつか、だからな」
「はいはい。光くん」
しっしっ、と中に入るように手をひらひらさせて指示してくる。
なんだよ、と思って一歩踏み出した瞬間だった。
あいつの横を、巡回中の警官が二人通った。
「……やさしー」
こういう店にいる奴って、金の亡者みたいなのばかりだと思っていた。
自分が一位になろうと必死で、他人を蹴落とすような世界がお決まりだと思ってた。
「おもしれぇじゃん」
この街、最高に怖くて、最高に面白い。
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柊(プロフ) - クリスさん» コメントありがとうございます!亀更新ではありますが、これからも応援していただけると嬉しいです。ぜひ楽しんで下さい! (2021年2月17日 23時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
クリス - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2021年2月17日 22時) (レス) id: e4548ba768 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 百夢叶さん» コメントありごとうございます!やる気出ました笑 (2020年5月2日 18時) (レス) id: 351dea1b4f (このIDを非表示/違反報告)
百夢叶(プロフ) - 更新待ってます!頑張ってください! (2020年5月2日 17時) (レス) id: 4a44319a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月1日 22時