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mission 7 ページ7

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あれから1週間、毎日薮の様子を伺う日々が続いた。

幸い初回の授業ばっかでそれほど進まないし、分からないところも無いから当てられても答えられる。

ただ俺も、あいつのことを気にしすぎなんじゃないかと思ってきた。

気になるだけ。そう暗示していた過去の俺を、鬱陶しくて端に避けている自分がいた。



「……もう耐えられねぇ」



思い立ったが吉日、って言葉があるんだから、俺の脳内があいつでパンクしないうちに行動を起こした方が良さそうだ。

俺は今夜、薮を尾行しようと思う。



「じゃーなー」



大ちゃんには気づかれないように普段通り帰ってきた。

そこから学校に戻って、他の人には怪しまれない所で待機した。



「あ……来た」



午後5時退社って、早すぎるだろ。

まぁ教科で言えば非常勤講師と同じだけど。



感づかれないよう、物陰に隠れながら進む街中。

週一でお世話になる駅に向かって一直線に進んでいった。

電車に揺られ、動向を監視し続けること30分弱。

薮は駅のホームに下り立った。



「ここって……」



脳内をあらゆる思考が駆け巡る。

ただ住んでいるだけかもしれないが、疑り深い俺の天使と悪魔が口論をしている。

いつの間にか携帯を手にした薮はそれを耳にあてがい、誰かと親しく電話し始めた。



「あぁ……え、寝ちゃ駄目?許せよ30分くらい。どうせ営業は7時からなんだろ?」



営業って……あぁもう、なんなんだよ!



「んなことわーってるよ。はいはい」



余程仲のいい関係の人なんだろうか。

あいつがこんなに崩した話し方をしているのは聞いたことがなかった。

もっと厳格なのかと思っていたら、目を細めて笑ってるし、学校とは比べ物にならないほど大きな違いがあった。



「おっけー……ありがと」



暫くして電話を切ると、躊躇いもなくタクシー乗り場の脇に停まっていた車に乗り込んだ。

乗り込んだのは後部座席。

明るい車内を目を凝らして見てみれば、メガネを外し、髪を整えている薮が映った。



「……追えなくなったじゃねぇか」



諦めて帰ろうと踵を返したときだった。



「そこのお兄さん、ちょっと俺と遊んでかない?」



悪い予感がして、俺は思わず振り返った。

そこには、にやにやしながら俺をまじまじと見つめる男が3人。



「……遠慮しときます」



肩に腕を回される寸前、俺は夜の街になりふり構わず走り出した。


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作者名: | 作成日時:2018年10月12日 19時

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