mission 24 ページ24
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「なんだよあいつ。マジムカつく」
あの後すぐに屋上から離れ、帰る支度をしているところだ。
できれば授業が終わる前に帰ってしまいたい。
今日はもう大ちゃんにも薮にも会いたくなかった。
「ていうか、嘘でって……」
“嘘で人を幸せにしろ”だ？
良い嘘と悪い嘘なんて言葉があるけれど、良い嘘だって、結局バレればそこで終わり。
人はすぐ人を嫌う。
その代わり、好きになるには時間がかかり過ぎる。
「やってらんねぇよ」
なにがミッションだ。
そんなんで人生楽しくなるなら、俺はつまらないままでいい。
……だからまた、この街に出たくなる。
「よっ、光くん」
背後からいきなり肩を抱かれ、誰だ、と振り返ってみると、そこには
「たっ……かき、さん」
高木の姿があった。
「高木でいいって言ったはずだよ。んで？今日は何しに来たの」
「えっ、と……」
まさか駅に着いて早々、高木に見つかるとは思ってなかった。
俺はどう誤魔化そうかと必死だ。
そんな俺には見向きもせず、奴は俺を引き寄せ歩く。
「三樹矢に会いたくはなさそうだね。秘密にしておいてほしい？」
「そ、そりゃ……」
「ふーん。……よし！行こ」
いきなり進んでいた道とは真逆に方向転換した。
よろける俺をこれまた気にせず、自分勝手に歩き進める高木。
どいつもこいつも、どうしてか脅しが上手い。
「どこに、向かってんの」
「どこだと思う？」
「ホストクラブ」
「即答じゃん笑」
「本当はどこ？」
「……もっと楽しいとこ」
三樹矢に気づかれたら絶対しばかれるなぁ、と苦笑いで俺を連れる。
そうならそうと俺だって巻き添えを食らう。
WIN-WINならぬLOSE-LOSEだ。
「……っどこだよ」
「はい着いた」
途中から目を大きな手で覆われ、見えるものも見えなくなった。
高木はどこに連れて来たんだ？
「えっと……。ここって、まさか」
「そう。居酒屋」
そう。じゃなくて！
俺まだ未成年だけど！？
高木は俺の手を引いて店の一番奥の席に座った。
「まぁ、三樹矢との待ち合わせ場所でもあるけどね」
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作者名：柊 | 作成日時：2018年10月12日 19時
