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mission 3 ページ3

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「B組も始業式行くぞー。なにやってんだ、早く並べ!」



うゎーい、なんて言いながら怠そうに廊下に列を作るクラスメイト。

出席番号順に2列に並んで地下1階のホールに集合する。

そこで新入生に向けての校長の挨拶から始まり……長々とした先生の話に寝そうになったときだった。



「今から、私達と共にこの学校で教えてくださる新しい先生を紹介したいと思います。薮先生です」



そう、そのときだった。

女子からは歓喜とも呼べる悲鳴の数々。

男子からはおおー、とクオリティの高さに若干引き気味の声。


何事かと眠っていた目をこじ開けて舞台の上を見てみれば、メガネの男が。

足が長くて溜め息が出る。女子受け良さそうだなぁ、ってのが最初の印象。



「薮宏太です。社会の、特に歴史を中心として教えています。よろしくお願いします」



パチパチと乾いた音が鳴り響き、ホール全体が丸い空気に包み込まれる。

イケメンってだけだろ。はぁ、だる。

……ってちょっと待って。



「そして薮先生は、2年B組の担任も新しく担当することになりました」



……嘘だろ?

なにに驚いてるかって、担任になったのにもそれなりにビックリだけど

この声、聞き覚えがある。



「光くん!さっきの聞いてた?あの先生優しくて教え方も上手なんだって。噂で聞いた。だから堅っ苦しい校長も許したんだね」



弾丸トークとでも言うのか、大ちゃんはどんなときでもハイテンションだ。

さっきまで前の座席でうとうとしてたくせに、今では生き生きしてる。



「はい席着いてくださーい」



後でね、と大ちゃんは左後ろから右前の席まで一直線に戻っていった。


そして。



「始業式でも紹介していただいたけど、改めて。薮宏太です。気軽に薮ちゃんとでも呼んで」



自己紹介しようか。すぐ帰りたいもんね。


学生心を分かっているというかなんというか。

受けがいいのも理解できるけど……こんな奴たまにいるだろ。

キャーキャー言うほどでもねぇから。

ってなに弁解してんだ俺。



「おーい、八乙女。やおとめぇ〜」



のそっと目の前に現れたそいつ。

身を仰け反って椅子から立ちあがると、どこからともなく笑い声が飛び交った。



「お前からだって言ったからね俺。ちゃっちゃと終わらせようぜ」



ふにゃりと上がった口角を嫌味に感じる暇もなく始まった自己紹介。

ちらと目をやった瞬間だった。




──目の前でそいつが、見透かすように俺を捉えていた。


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作者名: | 作成日時:2018年10月12日 19時

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