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店を出て、あかん、と言う聞き慣れない言葉を聞いて金髪の限界を知った。
一気に優しい顔が消えた。
ビルを出てきた時以上にフラついていた。



頑張って立ってたんだと思うと、すごく申し訳ない。
さっきの、香水を選ぶときの真剣な顔はどこにもなく、やつれてる。



ごめんなぁってヘニャって笑ってるのを見るのが辛くて、あまり金髪の方を見ないようにして屋上へ戻った。



戻るとすぐ、金髪は落ちるか落ちないかギリギリのラインに立つ。
…深呼吸してる。



しばらくそれを繰り返して、落ち着いたのか私の所へ歩いてきた。



『ごめんな、フラフラしてもうて。』

「いや、付き合わせたの私だから。」

『……お詫びに、あれ見したる。』

「…あれじゃ分からないけど。」

『ついてきて。』



屋上の、いつも私たちがいる反対側に回りこむ。
…何もない。景色が広がってるだけ。



「なんもない。」

『下。下向いて。』



言われた通り下を向いた。
下を向いた拍子に、伸ばしてる髪がバサッと顔にかかった。



「…おー。十字架。」

『反応薄っ笑』



大きな大きな十字架が、コンクリートに描かれていた。
十字架の中にはいくつかの単語。



「…これ、何て意味?」

『罪は自らの身に及ぶ。』

「…何それ。」

『キリスト系のなんちゃらかんちゃら。』

「分かるか。」

『俺、これと同じ言葉書いた十字架持ってんねん。お守り代わり。』



取り出して見せてくれた十字架は軽く汚れている。
真っ白だったであろう色は年月と共に霞み、黒い文字は煤けていた。



『Aもいる?お守り。』

「ううん。大丈夫。」



金髪の物、私が取るわけにいかないでしょ。
宗教絡みは、好きじゃない。



『なぁ。そろそろ言ってくれてもええんちゃう?』

「何が。」

『Aの過去。』



いつかは話さなきゃダメなのかなと思っていた。
私の中で一生封印した出来事。
金髪はこんなに自分のこと話してくれたから。
だから私も、勇気を出そう。
いつまでもいつまでも閉じこもってても何も始まらない。
金髪は信用できるんだから。同族なんだから。



「2年前さ、…」

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設定タグ:ジャニーズWEST , 藤井流星   
作品ジャンル:恋愛
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カジャ(プロフ) - 藤井侑李さん» めっちゃええやん笑 私んとこ教え方下手な上にそんなんくれへんで。数学の教師でええ人おらん… (2016年12月3日 8時) (レス) id: f97b69330d (このIDを非表示/違反報告)
藤井侑李(プロフ) - カジャさん» あー確かに! こっちは今の数学の先生が優しいから部分点くれるよー笑 (2016年12月2日 22時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 藤井侑李さん» 国語と英語って多少間違ってもマイナス一点とかやってくれるから笑 (2016年12月2日 22時) (レス) id: f97b69330d (このIDを非表示/違反報告)
藤井侑李(プロフ) - カジャさん» 激しく同意ww (2016年12月2日 20時) (レス) id: 5c49c99a1a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 藤井侑李さん» なー!理数系できる人はほんまに頭ええと思う笑 (2016年12月2日 20時) (レス) id: f97b69330d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2016年10月23日 14時

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