LOSER【R.F】

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エレベーターを降りてビルを出ると、繋いでいる手に違和感を感じる。
パッと隣を見ると、金髪がヨタついていた。



「…大丈夫か。」

『俺…久しぶりに低いとこ立った……。』



周りの建物全部デカく見えるわって。
そりゃそうでしょ。普通はそうだ。
その普通が通じないのは二人ともだけど。



「ねぇ、電車乗ってどっか行こうよ。」

『え、！銀座じゃあかんの！』

「銀座には良い思い出がないから。」

『でも俺地面でこんなんやのに電車乗ったらほんまに吐いてまうかもしれんで…。』

「モザイクかけるから。」

『いや無理やから！』

「嘘に決まってるじゃんか。銀座って、何かお店あんの？」



オフィス、オフィス、オフィスビルのイメージしかないよここは。
それにお店って言っても高いご飯屋さんくらいしか分からない。
何が楽しめんのかなー銀座。



『うーん…とりあえずブラブラしてたら何かあるんちゃう笑』

「……計画性0だ。」

『いやお前が行きたい言うてんやろ！』

「だって電車乗れないなんて知らなかったもん！」



こういうしょうもない学生ならではの会話できるっていいね。
口喧嘩できる人がいるって素晴らしい。



『ほんまーしゃあないなぁ。調べてどっか連れてったるわしゃーなしで！』



そんなしゃーないしゃーない言わなくてもいいでしょ。



「フラフラ金髪。」

『…何か言うーたぁー？』

「いいえ何もございません。」

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