LOSER【R.F】

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どれくらい経ったか分からない。
体に当たる風が寒くなり、それで目覚めた。



『遅いわ起きるん。』



どこかからあいつの声がする。
でも周りが暗くて見えない。
もう夜なんだということを、その時感じた。



「…寒。」

『こっち来ぃや。』



暗い中で目を凝らすと、徐々に姿が見えてきた。
……あいつは屋上ギリギリで立っていた。
急いであいつのところへ寄る。



「危ないじゃん。」

『まぁ、慣れてるし。下見てみ。』



横目でチラチラ存在を確認しながら、下を見た。
高所恐怖症だから下を見るのにはすごく勇気が必要だった。



「…おぉ。」



色とりどりのネオンサインが、眼下に広がる。
ネオンサインだけじゃなくて、普通のビルの明かりとか、車のライトとかも目立って、幻想的に見えた。



『女子こういうの好きやろ。笑』



横で相変わらずギリギリの位置にたってる金髪。



「…まぁ、好きだね。」



女子だからっていうか、普通に綺麗だから好きなんだけど。



それにしても寒い。
そろそろ帰ろかな。
この景色はまだ見ていたいけど、この金髪もそんなに居られたら迷惑だろうし。



「帰るわ。」

『え、帰んの？』

「寒いし。」



何でそんな意外そうな顔すんの。
孤独が好きなんでしょあんたは。



『……毛布持ってくるから、
もうちょいおれよ。』



な？って無理矢理肩押されて、一つだけあるベンチに座らされた。
何なの？一人がいいんじゃないの？



でも景色を見たらそんな疑問どうでもよくなって、気づけば光る街をボーッと眺めていた。

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