跡部にひたすら気に入られてる女子がいるらしい【テ/ニ/ス/の/王/子/様】

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てきとうに帰る支度をしてると忍足に

「今日も練習見に行かへんの？」

と言われた。

私は帰宅部アンドノット委員会なので帰るのが早いからだろうか。

忍足と隣になってやたらテニス部の練習に誘われるようになった。

毎回の如く首を横に振る。


「そっかぁ今日もフラれたわぁ」

なんて苦笑する忍足。毎回誘ってくれるのに申し訳ないと思ってるけど

試合とかする跡部見ちゃったら男でも女でも確実に惚れる気がする。

だから見に行きたくない。


忍足の誘いも跡部の差し金かなにかかと思ってしまうほど

私は跡部の掌で踊らされるのが嫌なのだ。負けた気がするから。


いや負けてるのを自覚したくないから。


「じゃあまた明日ね」

忍足に手を振るときょとんとした顔をする。

なんでそんな顔すんだろ。いつも言ってるのにって思うと頭上からヤツの声が聞こえた。


「おい」



思わず顔を上げる。

よく見たらちらほら女の子がいるけど全然気付かなかった…

視線に気付かないほどボーッとしてたのかな。


「ったく忍足お前は」

「ま、まあまあお前のかっこいいところをなぁ？」

「俺様はいつもかっこいいだろうが」

私は一体なにを見せられているんだ。

そしてさりげなくナルシストな発言しないで。


跡部はこっちを向いて問いかける。

「部活見に来んのか」

いや聞いてたでしょなんて言葉を押し込んで

忍足と同じように首を横に振って断る。

「行かないよ」

そんな私に跡部はフッと笑ってまた私を見る。


「来るよな？」

「行かない」

見合いながらしばしの沈黙。そしてまた跡部が口を開いた。


「分かった。付いて来い」

ぐいっと目にも留まらぬ速さで腕を引かれる。

いや待って

「は？」

行くって言ってないんですけど、コイツ日本語通じないの？

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