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「で、話ってなに?」
本題に戻ると、俺はまだエマ達から脱獄計画の話とママが敵だという話はされていない。
もう俺は知っているから、知らない前提で話を聞くのは難しいかもしれない。
「あのね、パース」
エマが気難しそうな顔をして指をいじる。
俺の隣にいるノーマンからは圧のある視線が送られてきていた。
「私、見たの」
「何を?」
「コニーが里子に出された日、真実を。」
「…コニー?」
「あの日、コニーのリトルバーニーがテーブルに置いてあったから届けに行ったの覚えてる?」
「あぁ。」
「あの日、見たんだよ。
コニーは里子になんか出されてない。
鬼に食べられるためのエサにされてたんだ!」
エマが感情的になり、俺は何も言えなくなる。
俺が幼児期健忘がなかったら、腰を抜かしているかエマを信じられなかっただろう。
「…つまり?」
「ここは鬼へ貢ぐための農園。
私達はそのためのエサ。ママはその飼育員なんだよ…!
今まで愛してるって言ってくれてたママが、もう信じられない…ッ」
語っているうちに涙目になるエマに、背中を優しくさすってやる。
俺は一体なんて言えばいいのだろうか。
「気の所為だ」?「嘘だろ」?なんて言ったらエマは笑ってくれるんだ。
俺に何を求めてる。
「…エマが信じたくない気持ちも分かるけど、本当に見たんだよな?じゃあ自分の見たものを信じろ。」
「パース…」
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エクレア - 無理しない程度に更新、頑張ってください!!←上から目線ですいません。(-_-;) (2020年4月7日 8時) (レス) id: eaebe9ca52 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 有難うございます!頑張ります! (2019年3月21日 17時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 続きがすごく楽しみです! (2019年3月20日 19時) (レス) id: 17c90f0c09 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 頑張ります! (2019年3月15日 21時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - めっちゃ好きです、更新待ってます! (2019年3月13日 13時) (レス) id: 31edd7f2a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶴喰 蛍 | 作成日時:2019年2月23日 21時