悪夢と愛人 ページ14
「起きろ!パース!」
「………は?」
目が覚めた。それはいつもの光景__
__じゃない。
「なんだよ、パース」
「な、なんでお前が…」
「はぁ?寝ぼけてんのか?」
目の前にいるのはオレンジの黄色のエマではなく、紺色の髪をした男の子
_アルトだった。
でもそんなはずない。アルトもう死んだはずだ。俺が9歳の頃に出荷された。
「早く行かねぇと飯食われちまうぞ!」
アルトは俺の腕を引っ張って食堂に連れていく。中に入ると、誰もいなかった。ママも、誰も。
これは、何回か見た事のある【夢】だ。現実ではない。
アルトが出荷されてから何回も見る夢。
この夢を見るのが怖くて、眠りが浅くなったのもあるかもしれない。
「__誰も、いないじゃねぇか」
「当たり前じゃん。
【俺らが殺したんだから】」
「____」
アルトの顔が一気に近くなり、冷たい目で見られる。瞳の中を、頭を中を覗かれている気がした。
やめろ、やめてくれ。そんな目で俺を見るな。
ふとテーブルに目を移せば、肉の塊や血なまぐさい匂いが広がっていた。
アルトも俺に釣られて"それ"を見つめる。
「…俺達が見捨てた命の数。こんなにあったんだな」
「アルト、すまない。許してくれ。俺が無力だっせいでこんな__」
「パース、俺はパースのこと愛してるよ」
いつも会話していたような口調で、声質で言われた。
そんなの分かっている。俺だってアルトを愛している。
心の底から、世界で一番。なのにこんな夢を見るのは、精神が不安定だからなのか。
「だからパース、俺と一緒に死のうぜ」
「__は?」
「これ以上救えねぇなら、生きていても秘密を知ってても意味ねぇだろ。
だから一緒に死のう。
そしたら、俺らは幸せに生きていられる。天国でずっと一緒だ」
「でも、兄弟が__」
「いいから、死のうぜ」
アルトの手が、俺の首を掴んだ。
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エクレア - 無理しない程度に更新、頑張ってください!!←上から目線ですいません。(-_-;) (2020年4月7日 8時) (レス) id: eaebe9ca52 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 有難うございます!頑張ります! (2019年3月21日 17時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 続きがすごく楽しみです! (2019年3月20日 19時) (レス) id: 17c90f0c09 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 頑張ります! (2019年3月15日 21時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - めっちゃ好きです、更新待ってます! (2019年3月13日 13時) (レス) id: 31edd7f2a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶴喰 蛍 | 作成日時:2019年2月23日 21時