【約ネバ】眠れないのは (ページ13)

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時計ページ13

「おはようー！起きてみんなー！」

いつもの朝

いつものエマ

いつも朝ごはん

いつものテスト

いつもの自由時間。

ここまでは昨日と何も変わらず過ごせていた。変わったのは夕方の自由時間終了の時。

「ママーーーーーーッ！」

「マルク！どうかしたの？」

森の方から涙で顔を汚したマルクが叫びながら走ってきた。

俺はパッと見てこの中にいない子供を探す。

＿＿ナイラだ。

「どうしよう！森でナイラとはぐれちゃった！！
いっぱい探したけど見つからないんだ！！」

やっぱりか。

ママは時計＿に見せかけた発信機を見せつけるようにエマ達に見せると、森に向かっていった。

「……あっ！」

ママは数分もしないうちにナイラを抱えて帰ってきた。
それにエマとノーマンは目を丸くする。

「早すぎる…」

当たり前だ。発信機が埋められているんだから、分かるに決まっている。

「ママ、俺がナイラを運ぶよ」

「えぇ、よろしくね」

俺はママから寝ているナイラを慎重に受け取ると、ナイラの部屋まで行く。

後ろからはほかの弟妹達がテコテコと着いてくる。

「エマー、ノーマンー？早く行くぞー」

「…あっ、うん！」

エマは戸惑ったように慌てる。

相変わらずわかりやすいなぁ。
隠すところは隠すくせに。

「ふぅ…おやすみ、ナイラ」

やっと部屋に着いて、ナイラの頭を撫でてからベッドに寝かせる。すると後ろから肩を叩かれた。

「＿＿レイか」

「…なぁパース」

「ん？」

「パースは何をどこまで知ってるんだよ」

レイは少し悲しそうな顔をして俺に聞いた。
まるでなんのこと？と言って欲しいみたいな顔だ。

「知ってるって…一体なんのこと？
みんなのベッドの場所くらいは把握してるけど…」

「…そうか、ならいい」

…あぁ、疑われてるな。
勘が鋭い奴だ。

レイはともかく、二人に俺の色々はバレたくない。なんとかしなくては。

俺はもう無くなりそうな薬をこっそり飲んだ。