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地獄 ページ11

「コニー!!??」


エマの響き渡る声で意識を取り戻した。

寝ていた訳では無い。

というか、寝れるものなら早く寝たい。ボーッとしていただけだ。睡眠不足だろうか。


「_さっき風呂場の窓から遠く門に灯りがついているのが見えた。
見送りについて行ったママも戻ってきていないし、まだコニーは出発していないんだと思う」


急がずゆっくりと声のした食堂に行くと、レイとエマ、ノーマンが集まっていた。

嘘つけ、さっき廊下で見たくせに何を言ってんだか。


「届けてやろう」


「ノーマン」


「本当はママに頼んで後から送ってもらうのが筋なんだろうけど


"コニーの気持ちを考えたら早い方がいい"


だろ?」


「うん!」


そう言って二人は食堂から出ていってしまった。

コニーにそれを届けに行くということは鬼の正体を知るということ。

あ、そうか。

レイは二人にこの現実を、鬼の正体を見せるためにわざとリトルバーニーを置いた。

同室なら尚更やりやすいだろう。
三人でここから逃げるために、全てしくんだ。


「_なるほどね」


「?どうした、パース」


「いや、なんでも。二人のこと待ってようか」


「あぁ」


さっき自分の中の謎が解けてスッキリしたから気分がいい。
恐らく帰ってくるエマ達の気分は反対だろうけど。

エマたちの件が終わったらママのところに行かなくては。

きっと、即出荷はしない。

ママが手間暇かけて作った金の卵。そんなすぐ捨てるはずがない。


「___あ、エマ」


レイがポツリと呟くと、確かにもうエマとノーマンがいた。エマはずっと俯いている。


「どうだった?」


「間に合わなかった」


間に合わなかった、ねぇ。

確かにそうだろう。今頃本体は瓶の中に、命は雲の上だ。

地獄を見たかのような顔をする二人に、鳥肌が立つ。





_せいぜい足掻けよ、この地獄で。

条件→←永遠の別れ



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エクレア - 無理しない程度に更新、頑張ってください!!←上から目線ですいません。(-_-;) (2020年4月7日 8時) (レス) id: eaebe9ca52 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 有難うございます!頑張ります! (2019年3月21日 17時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きがすごく楽しみです! (2019年3月20日 19時) (レス) id: 17c90f0c09 (このIDを非表示/違反報告)
鶴喰 蛍 - 頑張ります! (2019年3月15日 21時) (レス) id: 68daf44f94 (このIDを非表示/違反報告)
とまと - めっちゃ好きです、更新待ってます! (2019年3月13日 13時) (レス) id: 31edd7f2a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鶴喰 蛍 | 作成日時:2019年2月23日 21時

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